「ベストカー」本誌で好評連載中のテリー伊藤さん(ぜひ読んでね!!! 下段にミニコラムもあり!!!)もかねがねおっしゃっているように、丸目グルマは「癒やし系」、気持ちをほんわかさせてくれる。
クルマの歴史を紐解けば、もともとヘッドライトは丸目がフツーだった。ここではそんな丸目ヘッドライトの歴史と、いまもなおそのキュートさを受け継ぐモデルに焦点を当てる。
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※本稿は2020年12月のものです
文/テリー伊藤、ベストカー編集部、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』 2021年1月10日号
■1970年代までは丸目がフツーだった
もともとクルマのヘッドライトは丸形が基本だった。1960年代から1970年代にかけては、前照灯の保安基準などのからみで、規格サイズの丸形ヘッドライトを使うクルマがほとんどだった。
下にも紹介しているように、初代クラウンだって、パブリカだってヘッドライトは丸形だった。フェアレディZも初代S30型、2代目S130型は丸形ライトを使っていた。
その後1970年代前半になると、上級モデルを中心に、丸型ランプを片側2灯配置した4灯式が出てくるけれど、まだ「丸形規格サイズ」が基本。
この時代だとクラウンやセドリックなどは丸形4灯ヘッドライトを採用している。スカイラインやマークIIなども丸4灯ライトだ。
■角形ランプの登場は1967年
いち早く角形ランプを採用したのは、意外と早くて、1967年に登場した2代目ファミリア、それに続いて1968年の3代目クラウン2ドアハードトップだったけど、この後広く普及したかというとそのようなことはなく、丸形規格サイズが一般的だったのだ。
転機は1979年、「異形ヘッドランプ」が開発されたこと。5代目スカイライン(GC210型=ジャパン)のマイチェンで採用されたのが印象的だった。
その後の大転機は1986年、BMW7シリーズで初採用されたプロジェクターヘッドランプ。国産車だと1988年のS13型シルビア、初代セフィーロが思い出される。
凸型レンズで配光をコントロールすることで、大型のリフレクターが不要となり、ヘッドライトの形状の自由度が格段に高まったのだ。
その一方でリフレクターの形状も進化して、レンズカットによる配光の必要性がなくなってきたことで、非プロジェクターランプの形状も自由度が高まって、「脱丸目」時代が一気に進んだのが1990年代だ。細く切れ長のヘッドライトでシャープな表情を作るのがその時代流行った。
さらに配光特性の自由度が高まったLED時代になって、これまでにないヘッドライト形状のクルマも登場してきたが、その反動なのか、今の時代、あえて丸目を採用するクルマが増えてきたようにも感じられる。
こうして改めて見ると、やっぱりクルマの「顔」はヘッドライトの形状によってガラリとイメージが変わるんだなってことがわかる。丸目は癒し系だよね、やっぱり。
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