クルマにとって大切なもの……乗り心地、デザイン、燃費……。もちろんそれらは大切だ。
しかし、何か忘れちゃいませんか?
速さ。クルマに触れる時、コレはかなり重要。いつの時代も速いクルマには『華』があるし、速さには質の違いもあり、深掘りするとおもしろい題材だ。
ここでは、実は意外と速かった現行モデル3台をご紹介する。
※本稿は2021年10月のものです
文/岡本幸一郎 写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2021年10月26日号
■速そうに見えないのに……実は意外と速かった現行モデル3台
人は見かけによらないこともあるのと同じで、そうは見えないのに実は速いというクルマがいくつかある。
なかでも最も印象的なのが、初めて乗った時からそう思っていて、時間が経った今もその評価が変わらないステップワゴンハイブリッドだ。
ホンダのe:HEVにはいくつかの仕様があって、ステップワゴンは兄貴分のオデッセイなどと共通の2Lエンジンとの組み合わせだが、Mクラスミニバンでこの速さという意外性に驚かされた。
145psで17.8kgmのエンジンと184psで32.1kgmのモーターという組み合わせで、モーターの力強さが印象的だ。
次いで登場して間もない新型アクア。
えっ、そうなの? と思う人も大勢いるだろうが、2代目は初代とは別物。
アクアといえば初代は踏んでもなかなか加速せず、あまりに遅くて閉口したものだ。
当時のプリウスがそこまでひどくなかったうえに、排気量を小さくしたとはいえ軽いからもう少しマシなのではと思っていたのに、乗るたびにストレスを感じたのが正直なところ。
1.5LのTHSはこんなものとあきらめていた。
そう思っていたところで、まずひと足先に出た現行ヤリスに乗って驚いた。
世代が新しくなった1.5LのTHS(トヨタ・ハイブリッド・システム)は、初代アクアとぜんぜん違って低速レスポンスが力強くなっていたからだ。
さらに今回の新型アクアでもっと驚いた。
大電力を瞬間的に流すことのできるバイポーラ型ニッケル水素電池を搭載したことで、スペック的にはヤリスと同じながら、より力強く加速できるようになっていた。
もう遅いなんて言わせないという、トヨタの意地を感じさせるほどの変わりぶりだ。
そしてRAV4PHV。ハイブリッドもなかなか速いと思っていたところ、PHVは別格的に速くてビックリした。
さすがは0〜100km/h加速が6秒というだけのことはある。
同じPHVでもプリウスでは販売が伸び悩んでいるのに対し、RAV4には「速さ」というわかりやすい付加価値が与えられたわけだ。
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