■テラノが変えていたかもしれない日本の風景
日産 テラノが日本においては販売終了となった理由。それは、2代目テラノについては「クロカンブームが終わったから」というひと言で済むでしょう。
2代目のテラノは、従来からあるパートタイム4WDに加えて、R32型スカイラインGT-Rの4WDシステム「アテーサE-TS」をベースとする「オールモード4×4」を搭載するモデルも設定し、モノコックとラダーフレームの強靭さを併せ持った「モノフレームボディ」も特徴的でした。
とはいえ「基本的にはクロカン四駆」ではあったため、いい車ではあったのですが時流に乗れず、2000年に発売された次世代SUVのエクストレイルや、2004年登場のムラーノに席を譲らざるを得ない結果となったのです。
それはそれで、残念ではあるものの「時代の流れ的に仕方がない」といえるものでした。
しかし残念だったのは、なんともスタイリッシュで斬新なデザインをまとっていた初代テラノが、思ったよりは売れなかったことです。
もちろん「思ったより売れなかった」とはいえ、それなりにヒットした初代テラノではあります。
しかし、そのデザインが持つポテンシャルからすれば、もっともっと売れてしかるべきだったように思えます。
そして売れた結果として、時代がクロカン四駆からSUVに変わった後も「ひと味違うスタイリッシュな日産のSUV」としての進化が続き、2021年の街の風景を、もっとステキなものに変えてくれていたら良かったのに……などと、今でも夢想してしまうのです。
まぁこれは「後の祭り」というやつで、今さらどうすることもできないのですが。
■日産 テラノ(初代)主要諸元
・全長×全幅×全高:4365mm×1690mm×1680mm
・ホイールベース:2650mm
・車重:1740kg
・エンジン:直列4気筒OHVディーゼルターボ、2663cc
・最高出力:100ps/4000rpm
・最大トルク:22.0kgm/2200rpm
・燃費:――km/L
・価格:225万円(1989年式 2ドア ターボ R3M)
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