■渡辺陽一郎氏が選ぶクロウト好みのSUV
SUVはサイズから各車種の機能まで幅が広い。いわばクロウト好みのクルマが多彩なことも、SUVを選ぶ大切な価値だ。
筆頭に挙げられる車種はスバルXV。インプレッサスポーツをベースに、外装を変更して最低地上高を200mmまで高め、SUVに変更した。
全高は1550mmだから立体駐車場も使いやすく、登録台数はインプレッサ(G4を含む)の1.4倍だ。限りなく優等生の人気車に近いクロウト好みのクルマとなる。
クルマ好きにはエクリプスクロス。高重心のSUVなのによく曲がる。古典的なスポーティカーの味わいがあって楽しい。車内は広く実用的だが、運転感覚は反主流で、優等生的な今のSUVに満足できないユーザーに最適だ。
MX-30は、マツダが自らクロウト好みのクルマとして開発した。
現行マツダ2の感想を女性に尋ねたら「こんなスポーツカーみたいなクルマは私には無理」といった意見が多かった。そこで従来の魂動デザインを好まない人達に向けて開発されたのがMX-30だ。
外観は水平基調で、内装にはコルクも使い、リラックスできる雰囲気を備える。観音開きのドアは、販売面ではマイナス要因だが、クロウト好みのクルマにとっては不可欠だ。
フォレスターもスバルにとってクロウト好みのクルマだ。スバルは安全性を特に重視するから、走行安定性にもこだわる。
そのため高重心のクルマを好まないが、フォレスターは日本で販売されるスバル車で唯一、全高が1700mmを超える。背が高いので車内も広く実用性も優秀だ。SUVでは優等生になり得る機能を備えるが、スバル車としてはクロウト好みで人気も伸び悩む。
CX-8は、冒頭で述べたSUVの多彩な機能を示すクルマだ。ほかのSUVでは、3列目のシートは荷室の補助席だが、CX-8は真剣に取り組んだ。片道1時間程度なら、大人の多人数乗車も可能にする。
3列シートのSUVは珍しくないが、快適性をここまで高めるとクロウト好みのクルマとして注目される。
■ベストカー編集部よりクロウト好みをもう一台
日産の主力モデルなのに、優等生でもクロウト好みでも登場機会のなかったキックスを放置するわけにはいかない。
SUVなのに4WDがないのが「クロウト好みのいいクルマ」でも登場しなかった理由だろうが、これ、昨今のクロスオーバータイプの世界的トレンドでもある。フォルクスワーゲンなども割り切っている。
SUVを性能ではなく、イメージで選びたい人には2WDでも問題なし。
普通のハッチバックよりも楽しいクルマ生活を感じさせるのがSUVのいいところで、その存在意義は大きい。
キックス、お薦めしたい一台です。
【画像ギャラリー】売れてるクルマだけがいいクルマなのか!? クロウトを唸らせる『ウラ番』的クルマたち【SUV編】(8枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方