「EVで出遅れ」は大きな誤解?? 新型bZ4Xで激変するトヨタ電気自動車戦略の本気度

「EVで出遅れ」は大きな誤解?? 新型bZ4Xで激変するトヨタ電気自動車戦略の本気度

 トヨタは電気自動車の開発で大幅に出遅れていると思われているようだ。実際、過激な環境団体として知られるグリーンピースから名指しで非難されることも。いっぽう、トヨタってすべてのメーカーが苦しんでいる欧州の厳しい燃費規制CAFEを余裕でクリア出来るほど、1台あたりの二酸化炭素排出量という点で優れてます。環境貢献度からすれば優良。

 けれど、環境派からすれば「電気自動車を作っていないメーカーはダメ!」なのだった。このあたり「あんた嫌いだ!」と言われるのと同じく理屈じゃないんだと思う。トヨタも充分認識しており、2022年中ごろから本腰を入れた電気自動車ラインアップの構築を始める。その第1弾が今回紹介するbZ4Xなのだった。以下、じっくり紹介したい。

文/国沢光宏、写真/佐藤正勝、中里慎一郎、TOYOTA

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トヨタ「顧客第一主義」がEV戦略の鬼門か

 最初にトヨタの根幹となっているのは「顧客第一主義」だということを認識すると分かりやすくなると思う。顧客が満足する商品を造る、ということ。そんな視点から電気自動車をみると、エンジン車より劣っている点が多数存在した。

 例えば電池寿命。2010年デビューの日産リーフを買ったユーザーは、ほぼ例外なく電池の容量低下に悩まされた。買ってから6年もすると、満充電しても雨の日に除湿暖房しながら走ったら100km程度の航続距離になってしまう。

 結果、リセールバリューが激しく落ち込み、6年後に手放そうとしたら10万円という「次も電気自動車に乗ろう!」という気持ちを根底から打ち砕く査定しか出ない状況に。トヨタの顧客第一主義だと容認出来ないこと。

 車両価格の高さや航続距離の短さも顧客のことを考えると厳しかった。燃費の良いハイブリッド車であればガソリン満タンすると120kmくらい走っても燃料計は『F』のまんま。なのに400万円出して買った電気自動車だと120kmで電気残量警告灯点く。普通のガソリン車に乗り慣れた顧客からすれば納得出来るレベルといえない。ということでbZ4Xである。

bZ4Xでみせたトヨタの本気度

bZ4Xは、トヨタが新たに展開するEVシリーズ「TOYOTA bZ」の第1弾モデル

 いまだ限られた情報しか出ていないものの、電池寿命は「10年または24万km走った時点で90%」を目標にしているという。満充電航続距離をカタログデータながら500kmとしている。実力値で400kmとするなら、10年/24万km使って航続距離360kmということ。これだけ走ってくれると困らない。

 価格も期待出来ると考えている。bZ4Xと同じ車格の日産アリアは66kWhの電池を積むモデルを539万円で発売するという。トヨタ、容量71.4kWhの電池を積んでアリアより安い価格を目指すようだ。最近のトヨタの価格戦略を見ていると、私達の予想よりさらに安い。そして2022年度は国と合わせた補助金が100万円を超える地域も出てくる。

 車両価格で400万円を切ってくれば、bZ4Xと同じ車格&同等の動力性能を持つハリアーのハイブリッド(Gグレードで400万円)と同じような価格になる。しかも電力のエネルギーコストはガソリンよりずっと安価。ハリアーハイブリッドだと1万km走るのに10万円。bZ4Xであれば夜間電力2万円。普通の電力でも5万円だ。

 夜間電力で5万km走ると、それだけで40万円浮く計算。実用航続距離も400kmあったら充分使えるかと。私は同じくらいの航続距離を持つリーフe+に乗っているのだけれど、航続距離で不便を感じたことなし! このくらいの航続距離を持たせると、外出先で充電する必要だって低くなります。帰宅しプラグを挿すと朝に満充電されており便利。

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