2年前に「e-POWERターボ」が欲しかった!!
また、もうひとつの弱点が燃費の悪さだ。エルグランドの3.5リッターV6の燃費は8.7km/L(WLTCモード)、2.5リッター直4は10.0km/Lだ。アルファードは3.5Lガソリンで10.2km/L、2.5リッターハイブリッドは14.8km/Lを達成しており、ミニバンでも、このレベルを実現できるパワートレインでないと、勝負にならない。
「エルグランドにもe-POWERを!!」という声は幾度か聞こえたが、残念ながら、車重2トン以上のエルグランドをカバーできるe-POWERは、これまでなかった。日産が欧州で販売しているSUV「キャッシュカイ」の新型で採用されることが発表されている「VCターボを使ったe-POWER」を、エルグランドの2年前のマイチェンのタイミングで投入できていたら、エルグランドは多少持ち直していたかもしれない。
「背高」でナンバーワンの走りをめざせ!!
もちろん、アルファードの人気ぶりは、トヨタ販売網の圧倒的な強さも後押ししたことは間違いない。エルグランドの復権には、販売面での工夫も必要だ。「走りへの強いこだわり」を打ち出したコンセプト自体を極めたいのならば、初代エルグランドを彷彿させる「背高ミニバン」で、ナンバーワンの走りを実現することこそが「技術=腕の見せ所」ではないだろうか。
そして、何より大切なのが、「エルグランドに手をかけ続ける」ことだ。一度落ちてしまったブランドを復活させることは難しい。現行エルグランドのような姿は2度と見せてはならない。
新型フェアレディZの型式が「Z34」のままだったことが話題となったが、同じ型式でも、あれほど見栄えを変えたことで、世界的に話題となり、アピールできる。もし、新型エルグランドがあるならば、プラットフォームはそのままの「E52」の型式のままでよいので、「背丈とデザイン、そしてパワートレイン」をガラッと変えてみてはどうだろうか。
現エルグランドオーナーが買い変えたくなるほどに変化すれば、再び息を吹き返すことは不可能ではない。エルグランドの復権で、ぜひ「技術の日産」の真価を見せてほしい。
【画像ギャラリー】かつての王者 日産「エルグランド」の歴代モデルと、ライバルトヨタ「アルファード」の現行モデル(25枚)画像ギャラリー
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