近年、タイヤがパンクする事例が増えている。JAFによると、ロードサービス出動件数のうち、タイヤのトラブルは2017年度に約39万件と、過去最多を記録したそう。これは、10年前である2007年度(約29万件)から、約10万件も増えていることになる。
10年前と比較して、日本国内の道路が劣化したわけでも、タイヤの性能が劣化したわけでもないのに、なぜ、これほどタイヤのトラブルが増えているのだろうか。
文:吉川賢一
アイキャッチ画像:AdobeStock_carbondale
写真:AdobeStock、写真AC、JAF、エムスリープロダクション
タイヤに関する理解が不足している
JAFによると、タイヤのパンク(バースト、空気圧不足)に関する出動件数は、一般道では第2位、高速道路では第1位だという。
道に落ちた釘や鋭い小石、落ちていた木の破片などを踏んでしまうことでパンクするのは避けようがないが、ひび割れが激しく入った劣化タイヤをそのまま使い続けていたり、空気圧不足のまま走り続けることで起きるバーストなどは、ドライバーの点検不足でしかない。
ガソリンスタンドや、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアでは、「月に一度は空気圧チェックを」という啓蒙ポスターをよく見かけるが、気にしない方にとっては全く目に入らないのだろう。おそらく、空気圧チェックなどやったこともない、もっと言うとやり方もわからないドライバーも少なくないのではないだろうか。
セルフスタンドの普及で、空気圧チェックの機会が減ってしまった
フルサービスのガソリンスタンドでは、店員が「空気圧チェックしましょうか」と声をかけてくれ、無料で点検してくれる。しかしこの15年ほどで、セルフのガソリンスタンドが一気に普及(※令和元年時点でガソリンスタンド総数約3万箇所のうち35%がセルフ式)したことで、ドライバーが受動的にタイヤ空気圧をチェックする機会が減ってしまっている。
タイヤの状態などまったく気にとめないドライバーのなかには、タイヤの劣化や空気圧は、定期点検や車検のときだけ、という方も多くなっている、と思われる。
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