■アストンマーティン 最新ラインナップ
●DBS/スーパースポーツでありフラッグシップ
自社開発の5.2L 12気筒ツインターボエンジンをフロントに積むリア駆動のフラッグシップGTだ。このところのアストン最上位モデルの名にはヴァンキッシュとDBSが順繰りに使われており、特に現行モデルは当初、DBSスーパーレッジェーラと名乗っていた。
現在はシンプルにDBS。ボディタイプはクーペとソフトトップのヴォランテ(コンバーチブル)がある。
スタイリングはほかのシリーズに比べて筋骨隆々としており、グラマラスに膨らんだ前後フェンダーと大きなグリルが見るものを圧倒する。
その走りはどうか。ブランドのイメージどおりに上質なGTでありながら、ひと度モードをスポーツ系に変えたなら、リアフェンダーの膨らみが象徴するように獰猛なマシンへと変貌する。
迫力ある12気筒サウンドは圧巻だ。大柄であるにもかかわらずハンドリングも良好で、特に高速域においては秀でた空力性能の恩恵もあり、FRマシンらしいパフォーマンスを存分に楽しむことができる。
●DB11/アストンマーティン伝統の優雅なクーペモデル
現時点でブランドの中心軸はクラシカルに美しいFRのグラントゥーリズモであり、そのイメージに合致するモデルがDB11だ。それゆえ最新アストンマーティンに用意される2種類のエンジン、4L V8と5.2L V12の両ツインターボからチョイスできる(ただしコンバーチブルのヴォランテはV8のみの設定)。
DB11の魅力はなんと言っても典型的なロングノーズ&ショートデッキの流麗なクーペスタイルにある。今後はさらに空力重視になるため、味わい深い古典的スタイルは現行モデルで見納めかも。
走りはどうか。12気筒モデルは典型的なグラントゥーリズモだが、V8モデルではハンドリングも良好でリアルスポーツカーの片鱗もみせる。バランスのいい本格FRスポーツとしても評価できよう。いずれにしても優雅なスタイルにふさわしいライドテイストで、大人のための洗練されたGTスポーツカーである。
●ヴァンテージ/ピュアスポーツでありアストンの中核モデル
ブランドの中核を担う4L V8ツインターボエンジン搭載の2シーターFRスポーツカーだ。ヴァンテージとは昔からV8を積む高性能モデルに与えられてきた称号で、先代モデルよりブランドの主力となっている。
現行型のパワートレーンはメルセデスAMGとの協業によるM177エンジンを搭載したことがニュースに。8ATもしくは7MTを組み合わせていたが、現在では3ペダルがラインナップから落ちている。
クーペとロードスターを用意。後者は他モデル同様にエレガントなソフトトップ(といってもかなり硬い)とする。ボンドカーとして活躍したDB10がデザインスタディモデルで、DB11のデビュー前から次期主力モデルのカタチとして話題を集めていた。
その走りは他のシリーズに比べてスポーツ性が高く刺激的だ。重量バランスに優れ、実にFRらしいスポーツカーとして振る舞う。なかでもペースカーベースのF1エディションはそのスパルタンさにおいてブランド史上最高の市販ロードカーだと言っていい。
●DBX/アルミボディ採用のスーパーSUV
アストンマーティンが独自に開発したSUVだけあって、そのスタイルもパフォーマンスも優れてユニークだ。まずはそのサイズ感が面白い。遠目で見るとさほど大きさを感じない。フォルムとしてはワイドでSUVにしては背が低いからだ。けれども実際にはかなりデカい。全長5mはともかく幅が2mもあるのだ。
メルセデスAMG製の4L V8ツインターボエンジンを搭載。4WDとエアサスの組み合わせでSUVとしての機動力を確保した。
注目すべきはその走りだ。オンロード性能の高いSUVは今や珍しくもなんともないが、スポーツカーのヴァンテージに遜色のない走りをみせるという点でDBXの動的パフォーマンスはほかの高級SUVと一線を画す。
元ロータスのエンジニアが開発の指揮を取ったというだけあって、ガレージから飛び出した途端、SUVらしくないドライブフィールに驚くことだろう。加速もハンドリングも、まさに背が高いだけのアストンマーティンである。
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