■デートカーのあり方を考える
かつてのデートカーは、スタイリッシュであることが求められていた。リトラクタブルライトを採用していたプレリュード、グッドデザイン賞の受賞歴があるS13シルビアなど、往年のデートカーもルックスのよさでは抜きん出た特徴をもっていたことでも、スタイルのよさがデートカーとして理想的で、女性ウケには必須の要素だった。
となれば、スタイルのよさは現代においても重要となるが、今どきは過剰なアクセントに頼ることなく、あえてシンプルなボディラインと面でスタイルの魅力を訴求することがカーデザインにおけるトレンドのひとつとされている。特に日産 アリアやトヨタ bZ4X、ホンダ eといった電動車はその典型で、見る者にスリークでスマートな印象を与える。デザインは人それぞれに好みはあるものの、野暮ったいよりはスタイリッシュなほうがウケるのは間違いない。
さらに、クルマが人を乗せて移動するツールであるという点を鑑みると、パワーとか速さといったスペックよりも、現代においては、優しさや思いやりを感じさせる機能がどれだけ搭載されているかが、見た目以上に重要となる。
たとえば、スペック面で秀でた特徴を持つスポーツカーは、乗り降りがしづらく、乗り心地が悪いうえに、手荷物を置くにも難儀するなど女子じゃなくてもウケは最悪。フェラーリやポルシェといった富の象徴的クルマなら多少は許されるかもしれないが、それもはじめのうちだけ。慣れてしまえば、官能的なエキゾーストノートもただ耳障りなノイズに成り下がってしまうことだろう。
そして、乗る人をどれだけもてなせるか……を考えると、やはり巷で大流行中のSUVが絶好の選択肢として浮上してくる。そもそも”スポーツ用多目的車”なので、日常的な場面からアウトドアまで1台でさまざまな用途に対応する頼もしさがある。
また、一見すると大きく感じるSUVは見栄えもよく、それをスマートに扱っている=運転がうまいと感じさせる効果をもたらす。優れた機能性も相まって、頼りがいのある男を演出できるというわけだ。SUVが持つ多用途性と快適性は、より使い勝手のいいガジェットとして捉えられるが、デートという、親密なふたりが何かしらの行動をともにすることを想定するなら理想的な機能を多分に持ち合わせている。
それから、かつてのデートカーにはなかった要素だが、エコや安全は現在のデートカーでは加味すべき要素といえる。特に安全運転支援機能は運転者と同乗者に安心を提供するだけでなく、せっかくのデートを台無しにしないためにも備えておきたいところ。燃費は車種によってさまざまだが、ひと桁台でなければ及第点だろう。
■現代のデートカーに必要な要件とは?
ここまで挙げた条件をまとめると、
●スタイリッシュなルックス
●ジャンルは頼れるSUV
●運転支援機能が充実
●燃費性能に不満がない
●おもてなし機能が充実
これらに、かつてのデートカー的要素であるステータス性を加えると、次のような車種が候補として挙げられるのではないだろうか。
【令和の最強デートカーと誉れ高き、トヨタ ハリアー】
プレミアムSUVの先駆けで、現代のモテ車筆頭というべき存在。いかにも高級車的な作りと落ち着きのあるしなやかな乗り味で、大人のエレガンスを実感させる。高額車両だがそれに見合った性能と機能でオジサマたちの株が上がるのは必至だ。
【トレンドを先取りする優越感がある、日産 アリア】
電動化だけでなく、4輪のブレーキを繊細にコントロールする日産の最新4輪制御技術の採用によって実現した新次元の”プレミアムな走り”は、快適至極で同乗者をもてなすという点で理想的。知らないうちに色々サポートしてくれる最新鋭の安全運転支援機能はキムタクも絶賛。
【洗練度を増したコンパクトSUVの雄、ホンダ ヴェゼル】
群雄割拠の様相を呈しているコンパクトSUVクラスで、圧倒的な人気を誇り、実力的にも上位にランクされるモデル。クーペライクなプロポーションを際立たせたスタイルのよさは、2021~2022日本自動車殿堂においてカーデザイン・オブ・ザ・イヤーを受賞したことでも証明済み。実用性の高さも女子ウケに大きく貢献する。
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いいクルマに乗っていてもモテるわけではないし、女がクルマで男を品定めする時代でもない。しかし、クルマがその人を映す鏡であるならば、時代の流れとかトレンドを汲み、人に優しく頼りがいがある、そんな今どきのデートカー的要素を持ったクルマに乗ることは、あなたの高感度の爆上げに繋がるはず。
昔も今も、デートカーが人々に夢と希望を与えてくれる存在であることに変わりはないのだから。
【画像ギャラリー】かつてのデートカーと現代のデートカーを写真で見比べる!(11枚)画像ギャラリー
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