タイヤを冬のスタッドレスに履き替える時、「そろそろ買い替え時かなあ……夏も冬もまとめて買い替えちゃおうかなあ…」なんて考える人もいるのでは?
2022年のニュータイヤをベストカーが独自チェック!
※本稿は2021年12月のものです
文/ベストカー編集部、写真/ブリヂストン、TOYO TIRE、横浜ゴム、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年1月26日号
■ブリヂストン ブリザックVRX3 〜進化した発泡ゴムがアイス性能を引き上げる!!〜
■スタッドレスタイヤ
■サイズラインナップ:135/80R12~285/35R20(全111サイズ)
■実勢価格:1万5000円(195/65R15)
●どんなタイヤだ?
ブリヂストンが今ウィンターシーズンに合わせて送り込んだ、最新の意欲的スタッドレスタイヤが『ブリザックVRX3』だ。これまで、スケートリンクでの試乗レポートはお届けしてきたが、今回、冬の北海道での試乗がかなったので、リアルな使用条件下での印象をお伝えできる。
ブリザックVRX3は特にアイス性能を大きく引き上げるとともに、従来のVRX2で指摘されていたスノー路面でのグリップの抜け感や、乾燥路面でのややソフトな操舵感が大幅に改善されているというので、そのあたりを中心にチェックした。
●乗ってどうだ?
アイス性能の向上に大きく寄与しているのが、ブリヂストン独自の発泡ゴムの進化だ。
『フレキシブル発泡ゴム』と名付けられた新素材は、従来球状だった発泡空洞を縦長の楕円形とすることで、毛細管現象による吸水効果が増大。より効果的に氷上の水膜を除去。
また、新開発左右非対称トレッドパターンに配された水路が排水を後押しする。
接地面積も増えているため、除水された氷上面にトレッドゴムがジワリと食い付く接地感が頼もしい。スケートリンクでの試乗では、制動、発進加速といった縦方向のみならず、コーナリングでもVRX2に対する明確なグリップ向上を確認した。
アイス性能とスノー性能は技術要素が相反するため両立が難しいのだが、VRX3のトレッドパターンはブロックとサイプの角度を最適化することで接地面積を拡大するとともにエッジ成分を増大。雪中剪断力を高め、雪上グリップも確実に向上させている。
残念ながら今回の試乗では、気温が高くなり、圧雪路がシャーベッド状の雪になってしまい、圧雪でのグリップや操安に関しては確認できなかった。
その一方で、乾燥したアスファルト路面の一般公道での試乗に時間を割いた。
プリウスとヴェルファイアで試乗したのだが、まず驚いたのが静粛性。特に室内空間の大きなヴェルファイアでは後輪から発生するノイズが大きくなりがちだが、VRX3では気になる高周波のノイズはよく抑えられていた。
また、直進安定性の高さも特筆ポイント。路面のうねりによる外乱にも強く、ビシッとした安定感を実感するとともに、緊急回避を想定した素早い切り返し操舵にもしっかりと切り始めから反応が立ち上がり、後輪がグニャるような追従遅れを発することもない。
ブロック剛性が高く、サイプなどでのブロック倒れ込みが抑制されているのだろう。安心感が高く、総合性能の高さを確認できた。
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