■北米での販売は好調に推移。設立10年目には高級車ブランドの首位に立った!!
発売から10年目の1999年にはメルセデスベンツやBMW、アウディを抑えて、高級車のなかでの販売台数でトップに立った。しかも2010年までその座をキープしたのだ。この時の主役は、LSとLXという高級モデル2車だった。つまり、レクサスが高級ブランドとして北米のユーザーに認知されたということになる。その後もベスト5以内には常に顔を出している。
ちなみに昨年の販売台数を見ると1位が33万6644台のBMWで、前年比20.8%増という大躍進を遂げている。2位はレクサスで33万2000台。レクサスは前年比12%増だった。3位はメルセデスベンツで31万8456台で、これは前年比0.3%増にとどまった。ちなみにアウディは19万6038台だ。
北米デビューから30年以上を経過し、レクサスは北米での高級ブランドとしてメルセデスベンツ、BMWと同レベルの高級ブランドとして定着しているといってよいだろう。
■一方、御三家の本場欧州での販売は現在も苦戦が続く。伝統に打ち勝つのは至難の業⁉
販売台数で苦戦しているのが欧州マーケット。もともと欧州の高級車は自家用車よりも社用車としての購入のほうが多い。会社がある地位以上の社員に対してクルマも供与する、いわゆる「カンパニーカー」としての需要が多い。そうした会社とメーカーは以前からの関係で結びついている。なので、いきなり新参のブランドが入りこもうとしても、なかなか高い壁になっているのだ。
この状況は今でも大きくは変わっていない。昨年のドイツ御三家はメルセデスベンツ69万6136台で、前年比マイナス11.2%。BMWは76万3204台で、これは前年比プラス約4.0%。アウディは61万7048台で、前年比マイナス0.4%だった。レクサスはプラス2%ではあったものの、その台数は7万2000台。圧倒的にドイツ御三家に大きく水をあけられている。
しかし、その内容を見ると1位UX(約2.1万台)、2位NX(約1.9万台)、3位RX(約1.8万台)と、ベスト3をSUV系が占めている。以前のようにフリートユース主体のセダン系で勝負せずに、SUVで販売の核を構築しているのがわかる。
しかも、こうしたSUVは、トヨタの場合、HVやPHEVという電動車が中心。なので、欧州市場でのレクサス車の電動化率は65%という高水準に達している。
■中国市場でもドイツ御三家の強さは圧倒的
中国市場ではドイツ御三家はかなり力を発揮している。昨年、この市場で活躍が目立ったのはBMW。前年比8.9%増という伸びを見せている。販売実績も81万5691台を達成した。2位はメルセデスベンツで、こちらは前年比2.0%のマイナス、75万8863台を販売した。3位はアウディの70万1289台。これはマイナス3.6%になる。
レクサスだが、前年比1.0%増と健闘しているのだが、販売台数は22万7000台と、御三家の3分の1程度なのだ。ちなみに車種別の1位は4ドアセダンのES(約11万台)、2位にRX(約5.1万台)、3位NX(約3.8万台)だった。それでも電動化率は39%を達成している。
中国市場や欧州市場でドイツ御三家に、販売台数で大きく差をつけられているレクサスだが、それも当然なのだ。総販売台数を比べてみると、メルセデスベンツ205万4962台、BMW221万7795台、アウディ168万550台に対し、レクサスは76万台。
3位アウディの半分にも満たない台数しか販売していないことを考えると、北米市場での強さは、異常なことと言えるかもしれない。発売当初からのコンセプトが成功していると言ってもよいだろう。
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