日本参入17年目のレクサス、高級車ブランドとして日本で定着したのか? 果たしてドイツ御三家に勝っているのか?

■日本ではベンツに次ぐ僅差の2位。ただ高級車とは言え、日本でトップが取れないのは複雑な思いだ

 最後に日本市場だ。昨年の販売実績が各インポーターから出揃った。

 その結果だが、メルセデスベンツは前年比マイナス9%で、5万1678台。BMWは前年比プラス0.5%で、3万5905台。アウディは1%増で2万2535台だった。レクサスは、4%増で5万1000台を国内で販売した。わずか678台の差でメルセデスベンツには及ばなかったが、ドイツ御三家の二家を破っての販売台数だった。

日本ではここ数年ベンツの復権が著しい。日本でも扱いやすいAクラスの投入がその要因だが、昨年はCクラスもフルモデルチェンジし、さらなるシェア獲得を虎視眈々と狙っている
日本ではここ数年ベンツの復権が著しい。日本でも扱いやすいAクラスの投入がその要因だが、昨年はCクラスもフルモデルチェンジし、さらなるシェア獲得を虎視眈々と狙っている

 ちなみに内訳は1位RX(約1.1万台)、2位IS(約1.0万台)、3位UX(約1.0万台)という。電動車比率は実に69%に達している。大流行のSUVだけではなく、4ドアセダンのISが2位に入っているのが、高級ブランドの証しのひとつかもしれない。

日本のレクサスの1番人気は「RX」。当初はハリアーの分家だったが、代を重ねるごとに名実ともに上級化を図り日本のレクサスオーナーの心を掴んだ。走る姿がレクサス屈指のカッコよさだ
日本のレクサスの1番人気は「RX」。当初はハリアーの分家だったが、代を重ねるごとに名実ともに上級化を図り日本のレクサスオーナーの心を掴んだ。走る姿がレクサス屈指のカッコよさだ

 なぜレクサスがドイツ御三家のなかで健闘していられるのか。

 冒頭でレクサス広報が「電動車の幅広い選択肢をコンパクト/セダン/SUVというライフスタイルに寄り添うクルマ作りに取り組んできた成果」という分析も一理ある。

■レクサスが徹底する「おもてなし」。接客のよさがユーザーの心をキャッチ

 さらにユーザーに取材してみると、レクサスが開業当初から掲げている徹底した接客マナーのよさと、サービス精神が多くのユーザーの心をつかんでいることがわかった。

「犬の散歩の時、公園近くのレクサス店にクルマを預けておくと洗車をしておいてくれる」「夫婦でゴルフ好きだとわかってからはゴルフボールなどゴルフ用品をプレゼントしてくれる」「ディーラーに行くと瞬時にこちらの情報を照会し、名前で呼びかけてくれる」などの声が聞かれた。

長年レクサスのエントリーカーの役割を果たしてきた「CT200h」。3月3日に今年10月の生産終了とファイナルエディションとなる「Cherished Touring」を発表し、最後の花道を飾る
長年レクサスのエントリーカーの役割を果たしてきた「CT200h」。3月3日に今年10月の生産終了とファイナルエディションとなる「Cherished Touring」を発表し、最後の花道を飾る

 輸入車からの乗り替えをしたユーザーも「ゴルフ場に行くとレクサス車が多く、安心する」「クルマのトラブルが少ない」「車種による差別がない」と、好意的な声を耳にした。特に女性ユーザーからの信頼と満足度が高い印象を強く感じたのだ。

 発売当初からのクルマ作りや接客マナーがライバルたちを上回っていることが強味になっていることがわかる。

 レクサスが高級ブランドとして日本市場に定着したことは間違いなさそうだ。

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