老兵はただ去りゆくのみ…それでも日産にはマーチが必要な理由

マーチそしてキューブの復活は、日産を助けてくれるはず

 冒頭で紹介した次期型マイクラのティザー動画では、まるでK12マーチ(マイクラ)を彷彿とさせる楕円形のヘッドライトリングやキャビン形状がみてとれる。ボディサイズも、フィアット新型500(バッテリーEV)といった、Aセグメントサイズのようにみえ、スタイリッシュで先進的とは言えないが、最先端の中身とは対照的に、クラシカルな雰囲気をまとったオシャレでかわいいデザインのようだ。

 小型バッテリーEV向けとして日産とルノーが共同で新開発したCMF B-EVプラットフォームを使用し、ルノーからは「5(サンク)」、日産からは「マイクラ」として発売するという。ただ、マイクラに関しては、デザインは日産が行うが、開発と生産はルノーに一任されるそうだ。

 この次期型マイクラがそのまま、「マーチ」として日本に導入されるかはわからないが、マーチが生き残るためには、e-POWER化やバッテリーEV化は避けられず、そうなると「安い」という現行マーチのよさはスポイルされてしまうが、それでもこの次期型マイクラのような「かわいさ」が残るならば、それはマーチがこれまで辿ってきた道を大切にしていることであり、マーチが受け入れなければならない現実でもある。

 マーチのかわいい雰囲気は、エンジン臭くないバッテリーEVがよく似合う。使われ方を考えても、日産の現行ラインアップのなかで、これほどバッテリーEVに適したモデルはないのではないだろうか。

 筆者としては、この新生マーチバッテリーEVと共に、キューブの復活が、日産の国内販売を救う救世主になると考えている。世界中を見渡してもあれほど仕上がった「四角いクルマ」はない。デザイン、安全装備、燃費、明確なキャラクタを磨いた新生キューブとして復活し、e-POWERやバッテリーEV化されたら、再び人気モデルとしてランキングに復帰するのではと予想している。

 「丸いマーチ」と、「四角いキューブ」、誰もが知っているこの2大ブランドは、日産にとって大きな財産であり、電動化にも適したサイズ感をもつこの2台は、いまこそ活用すべきではないだろうか。

 この春には、軽のバッテリーEVの登場を控えている日産。はたして、それにつづくバッテリーEVはどのモデルとなるのか。今後の展開が楽しみだ。

2002~2010年に販売されていた3代目K12マーチ。日欧で共通デザインとして販売され、ヨーロッパの街並みにもよく合うタイムレスなデザインとして、評判も高かった
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