ペットは家族だからもしもの時の快適性が気になる! ペットフレンドリーな最新電動車とは!?

■もしもの時にも頼れる相棒に! ペットフレンドリーな最新電動車3選

 ただし、東日本大震災、そして新潟中越沖地震の際にも報告されたように、車内の狭い場所で、シートに寄りかかったまま就寝すると、命にかかわるエコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)の心配がある。

 できれば、車内のフラットシートアレンジで、体を真っすぐにして(多少、頭部が高い位置にあるほうが、逆流性食道炎を防げるという報告もある)寝られるのが理想的だ。

 となると、ハイブリッド、PHV(PHEV)のシートのフラットアレンジが可能かつ、室内高の高いクルマ、つまりミニバンやSUVが候補に上がってくる。

 が、自宅が危険に見舞われ、安全な場所にクルマで避難せざるを得ない状況で、安全な道、避難ルートが確保されているならば(過去24時間の通行実績を集計したトヨタやホンダの通れた道マップwebが参考になる)、愛犬とともに移動して、屋内(実家や親せきの家、避難者/犬を受け入れてくれる愛犬同伴専門の宿など)で過ごすことも安全・安心につながる。

 そう考えると、やはり最低地上高に余裕があり、駆動方式も4WDのクルマが頼りになるはずだ。

 そうした条件を満たす、今、新車で買えるクルマを、避難者と愛犬目線でピックアップしてみると、まずは最新の電動SUVである三菱「新型アウトランダーPHEV」だ。

2021年12月登場の三菱 新型アウトランダーPHEV
2021年12月登場の三菱 新型アウトランダーPHEV

 三菱自慢のS-AWCによる走破性の高さは言うまでもなく、全グレードにAC100V/1500Wコンセントを標準装備し、筆者の実経験では、後席フラットアレンジによって(5/7人乗りを問わず)、身長175センチまでの人なら、真っすぐに寝られる車中泊性能を確保している。

 フラットで安定感ある乗り心地も、走行中、車内でどこかにつかまれない犬にとっての快適性のポイントだ。

 トヨタの「RAV4 PHV」もまた、高い走破性とAC100V/1500Wコンセントの両方を備えたSUVだ。後席居住性よりラゲッジスペースの容量を優先してはいるものの、後席格納によって大人が寝ることが可能である。

 その両車には、SOSコール、RAV4 PHVの場合はT-コネクトナビを装着することでオペレーターサービスが利用できるのも強みになる(大災害時にオペレーターサービスが稼働しているかはわからないが)。

 また、暑い時期では、アウトランダーPHEVの上級グレードにある3ゾーンフルオートエアコンも、運転席、助手席、後席の独立温度調整が可能になり、暑がりの犬に優しいドッグフレンドリーポイントになりうる。

 が、より天井の高い、より広々として車内空間で過ごしたいというなら、ハイブリッドのボックス型ミニバンが理想的だ。

 4WDであっても本格SUVほどの最低地上高の余裕はなく、悪路走破性では劣るものの、室内高やフラットシートアレンジで有利になる。なかでも、現時点でもっとも室内高が高いのはトヨタ「新型ノア&ヴォクシー」だ。

2022年1月登場のトヨタ 新型ノア&ヴォクシーは室内高の高さとハイブリッド車の燃費性能では現時点クラストップレベル(写真はノア)
2022年1月登場のトヨタ 新型ノア&ヴォクシーは室内高の高さとハイブリッド車の燃費性能では現時点クラストップレベル(写真はノア)

 室内高はアルファードの1400mmに対して1405mmあり(アウトランダーPHEV 1240mm、RAV4 PHV 1230mm)、ハイブリッド車の燃費性能は現時点でクラストップレベル。

 長時間の稼働が可能となるAC100V/1500WコンセントからSOSコール、トヨタT-コネクトナビによるオペレーターサービスも用意され、ある意味、走破性を別にすれば完璧で安心・快適なマイ避難所になりうる1台と言っていい。

 2列目キャプテンシートのストレート超ロングスライド機構による車内のカウチソファ的リビング化も可能だし(車内のお座敷化では2列目ベンチシートが有利)、ベッド長は2/3列目席フラットアレンジで最大2050mmに達するほどだ!!

 そうした電動車は走行中の車内の静粛性も高く、聴覚に優れた犬の耳にも優しいなど、いいことだらけ、ドッグ&ペットフレンドリーなのである。

 もちろん、わが家がそうしているように、すぐに車内に積み込める人と愛犬のための避難グッズを用意しておく準備も欠かせない。

一式そろえておきたい避難グッズ(人用)
一式そろえておきたい避難グッズ(人用)
人間用の避難グッズを用意するように、ペット用の非常用持ち出し袋を用意しておくといい。いざという時には人用の袋と一緒に車に積み込むだけでいい
人間用の避難グッズを用意するように、ペット用の非常用持ち出し袋を用意しておくといい。いざという時には人用の袋と一緒に車に積み込むだけでいい
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