レース参加など、パフォーマンスをアピールできる場を!!
エクストレイルはこれまで、インテリジェント4×4といった独自の4WD制御をアピールしてきたが、どれ程優れているものか(特に対他メーカー)、認知が進んでいないように感じる。
おそらく新型エクストレイルにも、新たなe-POWER 4WDの新制御が盛り込まれ、「オールマイティな4WDシステム」のようにアピールするのだろうが、どのメーカーも同じようなアピールをする中で、ユーザー側からすれば、違いがわかりづらい(もちろんちゃんと中身を理解すれば違いはわかるのだが、知るために労力をかけるユーザーは多くない)。
そんななかでわかりやすく実力を示すには、やはりパフォーマンスを最大限アピールできるレースに参加することだろう。
三菱は、2021年5月11日に行われた決算発表会において、三菱のワークスチーム「ラリーアート」を復活させることを明言している。その予告から半年後に行われた東京オートサロン2022において、新型アウトランダーPHEVをベースとした「ビジョン・ラリーアート・コンセプト」が発表となった。前後バンパー、オーバーフェンダー、サイドパネルといったライトチューンではあったが、かつて国際ラリーで活躍したラリーアートの復活は、ファンにとっては胸アツの展開。やはり、レース活動をしている自動車メーカーには、感情移入しやすくもなるものだ。
ちなみに、昨今の国際ラリー選手権(WRC)では、フォードがプーマというクロスオーバーSUVで参戦している。トヨタやヒョンデ(HYUNDAI)など他メーカーがハッチバックボディで参戦する中でも、技術的にはやってやれないことはないのだ。
WRCへ新型エクストレイルが参戦することはあり得ないだろうが、ラリーアートが今後何らかのチャレンジをするなかで、日産が指をくわえてみているなんてのはもったいない。例えばフォーミュラEのオフロード版、「エクストリームE」への電撃参戦など、ぜひ見てみたいものだ。
最低でも現状維持の価格
最後に、我々ユーザーにとってもっとも重要なのは、やはり車両価格だ。エクストレイル属する国産ミドルクラス4WD SUVは、RAV4、ハリアー、CR-V、フォレスター、CX-5、アウトランダーPHEVなどで、車両価格は概ね300万円から450万円、プラグインハイブリッド車などは500万円強、というのがおおよその価格帯だ。
現行エクストレイルは、このミドルクラス4WD SUVの中でも格別に安い。2.0L直4ガソリンの「20S Vセレクション(4WD)」が税込248万円、「20S HYBRID(4WD)」が税込297万円という「超」破格でラインアップしている。もちろん、自慢のインテリジェント4×4は標準搭載だ。
遮音ガラス無し、ハンドル上にはスイッチ一切無し、足踏みPKB(標準はE-PKB)になるなど、売れ筋グレードと比べると寂しい装備内容ではあるが、それでもミドルクラスSUVをこの価格で提供できるのは驚異的。ちなみに鉄チンホイールではなく、17インチアルミホイール仕様となる。
もちろんこの安グレードが販売の中心ではないのだが、コストダウンを突き詰めていけば、ここまで安くまとめられるというのは凄いことだ。新型エクストレイルは、e-POWER化によって価格上昇は免れないだろうが、現行エクストレイルにある、2.5L直4ハイブリッドより安くなる可能性はある。最安エントリーグレードを270万円程度に抑え、売れ筋となる中間グレードを310万円~320万円程度に抑えてほしい。
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