今は会社の窮状にも思いを馳せてエコ運転/ヒデ
新型コロナウイルスが猛威を振るう中でも、エッセンシャルワーカーである私達は、経済活動のヘモグロビンとなるべく、日夜駆け巡ってきました。しかし、燃料高騰など、新たな要因が運送会社の経営を逼迫しております。
私が運送業に入った20年前の軽油価格は、まだリッター80円代。物の値段は需要と供給の関係で成り立っているので致し方ない事とはいえ、昨今の燃料高騰は「これはちょっと……」という感じです。
これに伴い(日頃から気をつけるべきことですが)我々運転手は少しでも燃料を抑えるべく、エコ運転を心がけねばなりません。
会社からこれに対し特に「お触れ」が出たということはありませんが、運転を生業としている者にとって低燃費運転は非常に重要なことです。
弊社では毎月の燃費がデータとして張り出されますが、運んでいる物も違えば運行形態も一台一台全く違いますし、さらに細かくいいますと、路面状況やタイヤの仕様等も違うので、あくまで参考程度に考えています。
例えば、周りからは同じような仕事に見えても輸出入コンテナ輸送に携わっているクルマと、内航フェリー輸送のクルマでは違います。
コンテナ輸送では港内でコンテナをヤードからピックする際などに順番待ちが発生します。大型店舗の渋滞と同じように徐々に前に進んで行きますので、必然的にストップアンドゴーの繰り返しになり、燃費は自ずと悪くなっていきます。
また、ピックしたコンテナは荷主の元に運ばれるのですが、行き帰りどちらか片方は必ず空車になります。
いっぽう、内航フェリー輸送等においては、「並び」というのは無いので港で台車を繋いだら荷主の元へ向かいます。荷降ろしを終えたら帰り荷を積んで港へ戻りますので、基本行き帰り実車ということになります。
こういった仕事の形態が違いますので、同じようなトレーラでも比べるのは酷というものです。なので、人と比べるということに関してはあまり意識しなくても良いと思っています。
自身の仕事内容を客観的に見たうえで、低燃費な走り、かつクルマに優しい走りを見つめ直すことが大切です。
私は、エコ運転に関して大事なのは「正確な輸送データ」だと思っていますので、過去15年の運行に関して、日報とは別に全てデータとして記録しています。
例えば何月何日、輸送区間は○○~○○、距離○○km、重量○○t等……。自身の走行において距離と給油量の比較だけでは正確なデータではありませんので、「先月より燃費が上がっている!」とはなりません。
軽量物が多かったのかもしれないし、高速走行が多かっただけかもしれません。走りを正確に算出するには正確な数字が必要で、そこから初めて自分の走りを見つめ直すことができます。
燃費を伸ばしたい方や伸び悩んでいる方、走り方を見つめ直したい方、是非一度試してみて頂ければと思います。
これに合わせて昨今の新型トラックにはエコモード(燃料噴射を抑制する)装置などが搭載されており、ドラレコによる運転評価など最新技術と合わせると、更にエコ運転に対し理解も深まってくるのではないかと思います。
一昔前(というより私自身の若かりし頃)は、エコという言葉には無頓着というか、「やってられねぇ」と尖っていたこともありました。しかし、やはり会社に所属して給料を頂いている以上、「会社とともに自身も成長していかないと……」と、心変わりしていきました。
運転手なら誰しもあると思うんですけど(無かった人はごめんなさい)、あのトンガリ具合って何なんですかね(笑)。
今はなかなか大変なご時世で、悠長なことを言っていられる場合ではないかもれませんが、そんな中でも日々成長できるよう頑張っていきましょう! それでは明日もご安全に。
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