茨城空港でとんでもない事態が起こっている。なんと自家用車の放置が多発しているというのだ。3118台分のスペースに当初は50台以上の放置車両があったという。
利用料が無料ということが災いしてしまったのか、放置車両が続出。法律の壁もあり勝手に移動もできず、頭を抱えてしまっているそうだ。
ベストカー編集部は現地へ急行。その実態に迫りました。
※今回は現在も茨城空港に放置中の8台の写真を掲載しました。盗難などの可能性もあるので、もし写真のクルマに心当たりがある場合は茨城県政策企画部空港対策課(TEL:029-301-2768)にご連絡を。
文・写真:ベストカー編集部/取材協力:茨城県政策企画部
ベストカー2018年8月26日号
■行政が勝手に撤去できない放置車両
空港に長期間放置されたクルマが問題となっている。
放置することを前提に駐車したものだけでなく、何らかの理由によって所有者が取りに来ることができなくなったケースもあり、全国の空港が対応に苦慮しているのだ。
そんな放置車両すぐに撤去すればいいじゃないか! という声もあるが、簡単にはいかない理由があるのだ。
「自力救済の禁止の原則」というもので、「公の手続きを踏まずに、私人が自己の権利を実力行使にて実現すること」を指す。
これに抵触して撤去すれば、逆にクルマの所有者から訴えられる危険性があるのだ。
さて今回直撃した現場は、霞ヶ浦のほど近くにある茨城空港だ。元は百里飛行場として防衛省・航空自衛隊が管理する飛行場だったが、2010年に民間共用化され現在の茨城空港となった。
この茨城空港、臨時駐車場も含めると3118台の無料駐車場があり、茨城県近郊の空の玄関口となっている。
今回の取材に対応してもらった、茨城県政策企画部交通局空港対策課課長補佐の矢口健氏によると、茨城空港は開港して約8年になるが、放置車両の問題が顕在化したのは2〜3年前。
それまでは、放置車両の存在に気づいていなかったのだそうだ。
駐車料金が無料ということで気軽に駐められて、長期間駐めても高額請求の心配もないから安心という心理が働くのだろうか? 当初確認した際は、50台前後の放置車両があったそうだ。
しかし、そこから県職員が注力し、順次移動や撤去をしてもらうことに取り組んだ。
弁護士のアドバイスも受けながら、所有者とコンタクトを取ったり、場合によっては直接訪問して移動のお願いをしたとのこと。
それぞれ事情があったが、粘り強く交渉することで移動してもらうことができ、8台まで減らすことができた。
しかし、残った8台が実に厄介だった。茨城空港にはナンバーのない車両がなかった(前後どちらかは付いている)ため、陸運局にナンバーを照会して所有者の特定はできた。
だがこの8台は、所有者が車検証に記されている住所にすでにいないということで、連絡の取りようがない手詰まり状態になっているのだ。
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