ID.Buzz投入は単なる「新モデル」の登場ではない
フォルクスワーゲンの乗用車ブランド取締役会会長のラルフ ブラントシュテッターは、ID.Buzzについて次のように述べている。「1950年代、フォルクスワーゲンBulli(タイプ2)は自動車の世界に、自由、独立心、エモーショナルな感情といった、まったく新しい感覚をもたらしました。ID.Buzzは、このライフスタイルを、現代へと移植します。ゼロエミッション、サステナブル、完全なネットワーク機能を特徴とするこのクルマは、自動運転という次の大きな扉を開くモデルでもあります。」
タイプ2登場当時、タイプ2が持つ多様性は、(時代背景も手伝った側面はあるが)世の中に、自由や独立心といった変化を支え、そのアイコン的存在として受け入れられた。ID.Buzzはカーボンニュートラルを見据えた現代のクルマ社会の変化と、それを取り巻く人々の暮らしにおける新たなアイコンを目指し、登場した、という内容だ。全くのニューカマーで登場させるより、往年の名車に抱くイメージを重ねた方が、こうしたメッセージを伝えやすいだろう。
ID.Buzzはさらに、将来的に自律型モビリティによるライドプーリング(オンデマンド方式で、複数の人が共同で車両を利用する移動サービス)などにも活用する予定だという。ID.Buzzは一台の新しいパーソナルカーとして出現するのではなく、このカテゴリーが将来担うことになる役割を象徴するモデルにしたいということだ。
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往年のタイプ2の素朴な雰囲気や味わいを求める人にとっては「ちょっと違う」クルマかもしれないが、ミニバンカテゴリーの変化を象徴する一台になり得るという意味では、大いにインパクトのある一台。
今の若者たちには「映え」そうな、ID.Buzzのニューレトロな装いは、ここ日本でも大いに話題に上がる可能性は高い。日本導入に関しては現時点不明だが、今後が楽しみなモデルだ。
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