トヨタ「GRスープラ」のRZグレードへ、新たにマニュアルミッション(以下、MT)仕様が追加されることが、トヨタから正式に発表された。2022年夏頃より商談受付を開始し、同年秋頃からデリバリーとなる予定だ。
先日日本仕様の価格が明らかとなった日産新型フェアレディZにも、6速マニュアルが設定されているし、GR86やBRZにも6速マニュアル車が用意されている。オートマチックトランスミッション(以下、AT)車が大多数を占める中でも、MTがこうして新型車に設定されていることは、MT車乗りとしては嬉しいところだ。
MT車は、坂道発進や渋滞などでは苦労することもあるが、MT車乗りにとっては、その苦労こそが「操る楽しみ」。しかし、昨今当たり前となってきた先進運転支援技術とは相性が悪く、MTの将来は明るくない。改めて、MT車の長所と短所を確認しながら、MT車は絶滅するしかないのか!?? 考察しよう。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_maskin
写真:TOYOTA、NISSAN、HONDA、SUBARU、MAZDA、MITSUBISHI、DAIHATSU、SUZUKI
「趣味性」もしくは「低コスト」を求めるクルマに設定されている
はじめに、新車で手に入る国産のMT車を確認しておこう(2022年4月時点)。
・トヨタ
ヤリス、GRヤリス、GR86、カローラスポーツ、カローラ、カローラツーリング、カローラアクシオ、カローラフィールダー、ピクシストラック、ピクシスバン、タウンエース、タウンエーストラック
・ホンダ
シビック、N-ONE、N-VAN
・日産
マーチNISMO S、NV100クリッパー、(新型フェアレディZ)
・マツダ
マツダ2、マツダ3ファストバック、マツダ3セダン、マツダ6セダン、マツダ6ワゴン、CX-3、CX-30、CX-5、ロードスター、ロードスターRF、スクラムワゴン
・三菱
ミニキャブバン、ミニキャブトラック
・スバル
BRZ
・ダイハツ
コペン、ハイゼットトラック、ハイゼットカーゴ
・スズキ
スイフト、スイフトスポーツ、ジムニー、ジムニーシエラ、エブリィ、キャリー、スーパーキャリー
マツダはCX-8を除いた乗用車全車と商用車に設定しているが、そのほかは概ね、趣味性の高いスポーツカー系か乗用車のスポーティグレード系、そして、軽トラックやバン、といった商用車系、もしくはコスト重視のモデルにMTが多く設定されていることがわかる。国内での新車販売台数におけるMT車の割合は1%程度ではあるが、いまもこれだけのモデルにMTは設定されている。しかしながらMTの行く末は決して明るくない。
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