パジェロショート、日本だけ消滅!? 孤高のオフローダーはまだ生産中だった!!

パジェロショート、日本だけ消滅!?   孤高のオフローダーはまだ生産中だった!!

先日担当が東名高速道路を走っていた時のこと。ふと左を見るとそこにはキャリアカーに満載のパジェロショートボディ(3ドア)が。

でも、2018年2月に生産終了したんじゃないんだっけ!? なんだ、まだ作ってるんだ!? なんて思っていたらどうも左ハンドルのようだ。

たしかに2018年2月に「国内向け販売終了」ではなく「生産終了」と聞いた記憶がある。果たしてどこに出荷されるのか!?

近年でこそ5ドアの売り上げがほとんどであまり目立たなかったけれど、初代は3ドアのショートボディから始まったのが名車パジェロの歴史。

国内販売が終了しても生産されているパジェロショートたちの行く末に迫りました。

文:ベストカーWeb編集部/写真:三菱


■夢か幻か!? キャリアカーに輝くパジェロショート

担当は鈴鹿でのレース観戦のために東名高速を西へ向かっていた。左にはレゴランドが見えてきた。もう名古屋に着くのか~。

ふと左車線のキャリアカーを見るとパジェロが積載されている。パジェロを作るパジェロ製造株式会社(日本一業務内容が分かりやすい社名だ。ちなみにアウトランダー、デリカD:5も製造)の工場は岐阜県にある。

ということはきっと名古屋港あたりから船に乗って出荷するのだろうなー、と思っていた。

担当が目撃したのはまちがいなく2018年2月に生産終了したパジェロショート。なぜまだ生産しているの!? というのが担当の第一印象

しかしよく見るとパジェロがえらく短い。そうショートボディだったのだ。頭の中では往年の三菱の名CMで流れた、エリック・クラプトンの『Layla』を脳内再生。

いや、落ち着こう。パジェロショートは2018年2月に生産終了したはず。ベストカーで、ものすごく惜しむ声を記事にした覚えがあるから間違いないだろう。

パジェロは乗用ワゴンボディのイメージが強いが、1982年登場の初代は貨物登録でメタルトップ/キャンバストップのショートモデルが先行デビューした

通過際によくそのクルマを見てみる。どうやら左ハンドルのようだ。まだパジェロショートを作っているなんて聞いてないよ~!!

ということで、さっそく三菱自動車広報部に聞いてみた。

■国内は新基準対応で販売終了 中東・中南米向けに製造中

そもそもパジェロショートの国内販売が終了したのは、なにも販売台数の少なさだけが理由ではない。

「パジェロショートは販売台数が少ないという事情もありましたが、大きな要因は歩行者保護の新基準をクリアするのが難しいからなんです」と以前も教えてくれた広報氏。

パジェロショートをベースにしたパジェロエボはパリダカにも参戦。7連覇をするなど偉業を達成しており、パジェロの4WD性能の高さを脳裏に焼き付けた

もちろんその説明に二言はないのですが、左ハンドル作り続けているなんて話は初耳。日本市場には無関係の話なのでそこは致し方ないか。

でも全国のパジェロファン、MMCファンはですね、同じ日本の空の下で、パジェロショートが生まれ続けていることに興奮するはず。なんせパリダカにも出た名車ですよ!!

ということで興奮を抑えつつ、現在の生産状況を聞いてみました。

「2018年2月の時点で国外向けには生産継続というお知らせは、たしかにしていませんでしたが、海外向けには生産中です。

現在は主に中南米と中東向けに製造を続けております。特にUAE(アラブ首長国連邦)とサウジアラビアは大きな市場です」と広報氏。

やっぱり中東というとどうしてもランクルのイメージが大きいけれど、パジェロショートも「違いのわかる」オーナーに愛されているようだ。

そして日本の多くの消費者が考える以上に「MITSUBISHI」の4WDへの絶大なる信頼を勝ち得ているマーケットなのだ。

パリダカ7連覇を記念した公式レプリカ「ラリーレプリカ」も、2007年の冬に約1カ月間の期間限定で380万1000円で発売された。これ、いまも所有している熱きオーナーはいるのだろうか!?

ここ日本でもパジェロショートはオフロード性能もロングボディよりも高く、コアな4WDファンにとってはまさに生ける伝説だった。また夫婦や、単身で使うには取り回しもいいサイズ感だったのも忘れてはいけない。

パジェロが世界中で築いてきた4WDの歴史を考えると、国内販売はなくなってもショートボディの存在意義は大きなもの。

パジェロショートの新型にまた日本で出会える日が待ち遠しい。

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