価格は394万200円! ホンダはシビックe:HEVを本気で売る気があるのか?

■カムリ、プリウスと比べて安い? 高い?

 シビックe:HEVの価格は394万200円だ。シビックEXは353万9800円だから、シビックe:HEVは約40万円高い。

 また従来型のインサイトは、18インチタイヤ、本革&ウルトラスエードシートなどを備えたEXブラックスタイルが372万9000円であった。

 これと比べても、シビックe:HEVの価格は約21万円上まわる。

 他メーカーのハイブリッドでライバル車になるプリウスは、最上級のAプレミアムツーリングセレクションが、本革シートなどを装着して344万2000円だ。

 シビックe:HEVは、約50万円高い。プリウスはWLTCモード燃費も優れ、最上級グレードでも27.2km/Lに達する。

 シビックe:HEVと価格が同等のハイブリッドは、セダンや5ドアハッチバックでは、カムリWSの393万7000円が最も近い。

 直列4気筒2.5Lエンジンをベースにしたハイブリッドシステムを搭載して、WLTCモード燃費は24.3km/Lだから、シビックe:HEVの24.2km/Lとほぼ同じだ。

 カムリWSでは、アルミホイールのサイズが17インチに留まり、シビックe:HEVと同様の18インチは5万1700円のオプションだ。助手席の電動調節機能も、電動チルト&テレスコピックステアリングとセットで5万7200円のオプションになり、JBLプレミアムサウンドシステムは8万300円で用意される。

 つまりカムリWSは、シビックe:HEVに比べて装備はシンプルだが、ボディサイズには余裕があって後席も広い。

 このように考えると、シビックe:HEVの価格はカムリと同等で、サイズの近いプリウスに比べると約50万円高い。前身のインサイトと比べても約21万円の上乗せだ。

 シビックの価格は、1.5Lターボエンジン搭載車も高めの設定で、e:HEVはさらに約40万円上まわるから、割高感が一層強まった。

■割高感の背景─ホンダ車の価格設定の方法…ベーシックグレードがほしい!

シビック自体の価格設定の高さにハイブリッドの価格が上乗せされたことで、かなり高額な設定となっているシビックe:HEV。ベーシックグレードが追加されれば購入を検討する顧客も増えるだろう
シビック自体の価格設定の高さにハイブリッドの価格が上乗せされたことで、かなり高額な設定となっているシビックe:HEV。ベーシックグレードが追加されれば購入を検討する顧客も増えるだろう

 シビックの価格がターボを含めて割高な背景には、ホンダ車の価格設定の方法がある。ホンダの場合、それぞれの市場において、収支のバランスが取れるように価格を決めることだ。

 ライバル車や市場全体の価格動向はあまり汲み取らない。そのために販売規模の小さな市場では、大量生産によるコスト低減の効果も薄れるから、1台当たりの価格が高まりやすい。

 日本におけるホンダの売れ筋車種は、N-BOX、フィット、フリードといった全長が4400mm以下のコンパクトな車種に偏り、国内で売られるホンダ車の80%を占める。

 シビックやアコードは、残りの20%に属する少数派だから、価格を安く抑えることは難しい。その結果、割高になり、売れ行きがさらに伸び悩んでしまう。

 シビックe:HEVの売れ行きを多少なりとも伸ばすには、複数のグレードを用意する必要がある。せめて1.5LターボのシビックLXに相当するベーシックな仕様を、350万円前後で用意したい。

 そうすれば「e:HEVのベーシック仕様か、それともほぼ同じ価格で買えるターボを搭載した上級のEXか」という選択が成り立ち、シビックを選びやすくなる。グレード構成や価格をユーザーの目線で決めるべきだ。

【画像ギャラリー】ターボモデルと装備はどう違う!? ホンダ シビックe:HEVを画像でチェック!!!(22枚)画像ギャラリー

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