世界最高峰のド迫力ベンツGクラスは実力も世界最高峰か?

世界最高峰のド迫力ベンツGクラスは実力も世界最高峰か?

 ブームではなく、もはや「乗用車のスタンダード」になりつつあるSUV。そのほとんどはオンロード主体のクロスオーバータイプであるが、本格オフローダーとしての実力も持ち合わせつつ、ラグジュアリーで、世界中のセレブを魅了している唯一無二のSUVが、メルセデスベンツ「Gクラス」だ。

 世界最高峰といえるGクラスを改めてご紹介しつつ、Gクラスは実力も世界最高峰なのか、そしてなぜGクラスはセレブに愛されるのか、考察しよう。

文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:Mercedes-BENZ

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高級でも斬新でもなかったゲレンデヴァーゲン

 Gクラスのルーツは、シンプルなクロスカントリーモデル「ゲレンデヴァーゲン(ドイツ語で「オフロード車」)」。1972年2月に発表されたゲレンデヴァーゲンは、堅牢なラダーフレーム、リジッドアクスル、センターデフを備えたパートタイム式4WDという、王道をいくメカニズムを備えた本格オフローダーとして登場。シンプルなインテリア、そしてスクエアで無骨なエクステリアで、当時のゲレンデヴァーゲンには、いまのGクラスのように高級な要素はなかった。

 「オンロードでも快適な本格オフローダー」という開発コンセプトも、当時すでに、レンジローバーが同様のコンセプトで登場していたことから、特に斬新というわけでもなかったが、総合的な実力に優れていたゲレンデヴァーゲンは、次第に各国の軍隊に認められるようになり、ドイツ連邦軍、アルゼンチン軍、オーストリア軍、スイス軍、NATO軍、国連軍は、ゲレンデヴァーゲンを制式採用している(軍用は1981年に生産が開始され、民生用とは仕様が異なる)。

 ただ、ゲレンデヴァーゲンは、軍用モデルだけにとどまることはなく、一般の顧客に向け、独立式のレカロシートをオプション設定したり、フロント・センター・リアのデフロックを全車標準装備(それまではフロントとリアはオプション設定)にしたり、フルタイム4WDシステムやABS、インテリアにウッドを採用するなど乗用車としての魅力も高めていき、現在のラグジュアリーなGクラスへと繋がっていく。

Gクラスのルーツであるゲレンデヴァーゲン。基本的なデザインは今も変わっていないことが分かる
Gクラスのルーツであるゲレンデヴァーゲン。基本的なデザインは今も変わっていないことが分かる

実力も見た目もまちがいなく世界最高峰

 現行型のラインアップは、3.0L 直6クリーンディーゼルの「G350d」、同じ型式のエンジンを搭載しつつ最高出力を高めた「G400d」、そして4.0L V8直噴ツインターボを搭載した「G550」の3つだ。

 駆動方式はフルタイム4WDでトランスミッションは9速AT、そしてスイッチ操作でセンター/リア/フロントの順でディファレンシャルのロックが可能な電子制御ディファレンシャルロックを搭載。一輪しか接地しないような過酷な地形でも走行が可能だ。

 ボディ下面をフラットにすることで、不整路面との干渉がないように工夫すると共に、ドライブトレーンとステアリングをオフロード走行に最適化する「Gモード」を搭載。またローレンジボタンで切り替えることで、通常の約2倍以上の駆動力を発揮できるクロスカントリーギアも搭載している。その走破力は、最新のランドローバーディフェンダーやジープラングラーといった本格クロカン車と比べても引けを取っておらず、まさに世界最高峰といっていい。

 もちろん実力だけでなく、インテリアはモダンでワイドなダッシュボードにコックピットディスプレイを配置し、先進的な印象。ジェットエンジンを思わせるエアコン吹き出し口やアナログ時計、上質なアルミニウム、ウッドトリムとシルバー加飾などはメルセデスの他の高級モデルと同質のクオリティで、無骨で無機質な印象は全くなく、機能美とラグジュアリーが見事に融合。「見た目」も最高峰だ。

次ページは : 強い個性こそがGクラスの魅力

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