ホンダ・シビックが50周年だ、という。そうか、50年も経ったのか、という感慨とともにホンダにとってだけでなく、シビックという一台のクルマがもたらした世界に轟いた衝撃を思い起こしたりした。
「モーレツからビューティフルへ」というキャッチとともに、それまで速さばかりを追い求めていた世の中が、少し変化した。
特に「エス」や「エヌ」で、ホンダは若者にとってアイドルのようなブランドだった。モーレツの最先端をいっていたホンダが、1973年にいち早く「低公害エンジン」ホンダCVCCを開発し、世界からの注目を浴びたのだ。
「排出ガス規制」などが嵐のように吹き荒れていた1970年代に、技術力で生き残ろうと軽やかに身を翻した。当時の多くのホンダ・ファンは、少なからず驚き少し落胆もしたものだ。
といいつつ、今回採り上げるのはホンダにとってシビックの前モデル、というべきホンダ1300シリーズ。モーレツ時代の掉尾を告げたモデル、知れば知るほどシビックとは対極にあるようなサルーン/クーペである。どうシビックへの転換を図ったのか、とても興味あるところだ。
文、写真/いのうえ・こーいち
コメント
コメントの使い方