■4位 日産 セレナ S-HYBRID
マイルドハイブリッドとガソリン車は今一歩の魅力と実力だ。ファミリー層が重視する実用性能にこだわっているが、多人数乗車、荷物満載だとガソリン車は余裕がない。マイルドハイブリッドも、モーターが補助するのは発進時だから物足りなく感じる。
ハンドリングもそれなりのレベルでいいと割り切っているのだろう。少し手を入れたe-POWERを除けば、平凡な実力にとどまっている。だが、乗り心地にはこだわっているから、元気な走りをしなければ快適だ。
鳴り物入りで登場した自動運転化技術の「プロパイロット」も、セレナの走りの実力がそれなりだから使い切れていないところがある。また、ステップワゴンがホンダセンシングを全車に標準装備しているのに対し、セレナはオプション設定だ。この消極的な姿勢もマイナスとなっている。
■日産 セレナ S-HYBRID
●出力:150ps/20.4kgm
●モーター:2.6ps/4.9kgm
●JC08燃費:15.0〜17.2km/L
●価格:248万9400円〜322万7040円
■5位 トヨタ ノア/ボクシー/エスクァイア HV
ノア/ヴォクシー/エスクァイアは、ステップワゴンとセレナの後塵を拝し、ハイブリッド車が5位にとどまった。だが、実際にはトータル性能の高いミニバンだ。ハイブリッド以外に飛び道具はないが、ハイブリッド車、ガソリン車ともに平均点が高く、ファミリー派には魅力的。
扱いやすく、快適装備も充実し、キャビンも2列目までは広く快適だ。動力性能も満足できる実力。特にハイブリッド車はドライバビリティ、実用燃費ともに優秀で快適性能もMクラスではトップレベルだ。
ただし、先進安全装備は物足りない。1世代前の安全/運転支援システムだから、点数をあまり上乗せできなかった。この弱点が解消されればもっとセレナに肉薄できるはずだ。
■トヨタ ノア/ヴォクシー/エスクァイア HV
●出力:90ps/14.5kgm
●モーター:82ps/21.1kgm
●ミッション:電気式無段変速
●JC08燃費:23.8km/L
●価格:301万4280円〜314万2800円
※数字・価格はすべてノア
以下、結果はこのようになった。
デリカD:5は4WDの実力は高いものの基本設計は古い。エンジンもガサツだから次期モデルに期待しよう。日産のNV200は商用のバンがベースだから、快適性も安全装備も今一歩にとどまる。
【番外コラム】 一芸に秀でる Mクラスミニバン
どんなモデルにも特技はある。ここではMクラス ハコ形ミニバン界の、そんな一芸王を紹介。各王者の選出は渡辺陽一郎氏にお願いしたぞ。では、いってみよう!
■2列目シートがとにかく快適! → 三菱 デリカD:5
Mクラスのなかで、2/3列目シートが最も快適なのはデリカD:5だ。足元空間が最も広く、頭上にも余裕があり、座り心地にはボリューム感を持たせた。背もたれや座面も大きい。デリカD:5は、全長が4800mm以下のミニバンでは居住性が最も優れ、Lクラス並みに快適だ。
■3列目シートがたたみやすい! → トヨタ ノア3姉妹
3列目のシートを最も簡単にたためるのは、ノア/ヴォクシー/エスクァイアの3姉妹だ。レバーを引くだけで、スプリングの作動によって3列目シートが跳ね上がる。操作が最も簡単で素早い。セレナも低い位置でたためるが、レバー操作だけでたためるノア3姉妹には太刀打ちできない。
■収納スペースがとにかく多い! → 日産 セレナ(ガソリン/ハイブリッド)
収納設備が最も豊富なのはセレナだ。助手席の前には上からアッパーボックス/トレイ/グローブボックスが備わる。ガソリンおよびHV車であれば、2列目の中央部分が1列目の間までスライドして収納設備として使える。 さらに1/2列目の背面には、格納式のテーブルも装着した。
■ノーマルグレードでもよく走る! → ホンダ ステップワゴン(ターボ)
ハイブリッドではないノーマルエンジンで最もよく走るのはステップワゴンだ。1.5Lターボは低回転域から余裕のある駆動力を発揮する。また低床設計によって重心が低く、Mクラスハコ型ミニバンでは走行安定性が最も優れている。動力性能と安定性で走りの面では圧倒的といえる。
コメント
コメントの使い方