軽自動車はスポーティなモデルから、実用性重視の軽トラックまで多くのユーザーを満足させる日本オリジナルのカテゴリーなのはご存じのとおり。
しかしそんな軽自動車の歴史上には「ビックリ仰天!!」というクルマも多くありました。ガルウィングだったり、スポーツモデルじゃないのにミドシップだったり。
そんなビックリ仰天の軽自動車5選を振り返る企画です。
文:清水草一/写真:ベストカー編集部
ベストカー2018年9月26日号
■えっ、ガルウィング!? 全長2.7mの超ミニ軽自動車!?
驚くほどビックリだった軽自動車たち。考えてみればこの5台、すべて絶版車になっている! さもありなん。
1位のAZ-1には、たった1回しか乗ったことないんですが、ミニサーキットでの試乗会でした。
ミニサーキットで簡単にドリフトしまくって、「これはスゲエ!」と超好感を抱いたのですが、公道でも簡単に横を向いたらしく、事故が多発したのは無念。

AZ-1は当時のマツダ5チャンネル展開で生まれた「オートザム」から販売されていた。ガルウィングにミドシップというカウンタックさながらの構成。乗り味はピーキーな特性でスピンや横転事故が多発した
それにしても、軽のミドシップスポーツを開発するだけで驚きなのに、それをガルウィングにしたっていうのは、本当にビックリだよね。
バブル期ならではのイケイケドンドンな空気に、いまさらながら感動の涙です。
2位のツインも、写真を見た瞬間に「マジで!?」と思ったです。こういう需要が存在するのか? と。実はほぼ存在しなかったわけですが。

全長は2735mmと軽自動車にしても短すぎる車体が特徴のスズキツイン。忘れられがちだがハイブリッドを搭載した最初の市販型軽自動車でもある。しかしガソリングレードの49万円という激安価格と比較してハイブリッドは139万円の価格で苦戦した
日本では全長が極端に短いことで有利になる部分がないもんね。回頭性を除いて。
このレアなツインをフルチューンして、足にしていたフェラーリオーナーがいて、「操縦性、超危ないッス!」と笑っていたのがとても印象的でした。
■傑作すぎて売れない!? 乗用モデルにミドシップ!?
3位は三菱i。これは傑作すぎてビックリでした。RRレイアウトを採用しただけでもビックリだったけど、デザインがあまりにも傑作すぎた。

軽自動車ばなれした外観にRRの駆動方式。クルマとしての完成度は高かったが清水氏いわく「デザインが傑作すぎて売れなかった」とのこと。ちなみに現在はiMiEVとしてEVバージョンが販売中(しかも2018年に軽自動車を卒業して5ナンバーになった!!)
あまりにもカッコよすぎて売れなかったという悲運の軽自動車。EVとしてなんとか生きながらえておりますが、大傑作だけに、今から丁重にご冥福をお祈りします。
R1も、「こんな売れそうにないの、よく出したな、エライ!」とビックリした1台でしたね。

スバルが登場させたR1。スバル360のコンセプトを継いで、評価は悪くなかったもののあまり売れず。ちなみにEVバージョンの「R1e」は試作車が存在し、実際にジャーナリストなどが試乗していた
故・前澤義雄さんがデザインを絶賛していたのが、とても印象に残ってます。前澤さんが褒めたクルマって、売れないんだよね……。

ミドシップだったホンダZ。広い室内空間などを売りにしていたがなかなかその価値観が理解されることなく消えていってしまったホンダの力作
そして2代目Z。なんでわざわざミドシップにしたのか、見ても乗ってもまったく意味不明でビックリでした。長所が皆無。案の定、売れませんでしたねぇ。南無。

ご覧のように完璧なミドシップだったZ。前後重量配分50:50を達成、可変式電動パワステなどこだわりを見せたが、3ドアしかなく販売面では苦労した1台だ
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