禁断の同門対決5番勝負 【高い車の安いグレードvs.安い車の高いグレード】

 同じメーカーのクルマでも、ひとクラス上モデルの廉価グレードとその下のモデルの最上級グレードでは、ほぼ同じくらいの値段になるモデルがある。

 たとえば、VWゴルフのベーシックグレードと新型ポロの上級グレードは約260万円だ。ほぼ同じ価格なら、どちらのクルマが“買い”なのか? いろんな同門のひとクラス差モデル同士を比較チェック!

※本稿は2018年4月のものです
文:渡辺陽一郎、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2018年5月26日号


【TOYOTA対決】 ヴォクシーハイブリッドZS vs ヴェルファイアX [価格約330万円]

【ひとつ下モデル】 ヴォクシーハイブリッド ZS(326万9160円)。エアロバンパーやリアスポイラーを装備した最上級モデル。1.8Lハイブリッドを搭載

【ひとつ上モデル】 ヴェルファイアX・8人乗り(335万4480円)。ベーシックグレードでエンジンは2.5L直4搭載

 ヴェルファイアXは価格が最も安いグレードだ。ほかのグレードよりは内外装が簡素だが、ヴォクシーハイブリッドの最上級車であるZSとの比較では、エアロパーツと右側スライドドアの電動機能以外は見劣りしない。

 そしてヴォクシーの緊急自動ブレーキは、歩行者に対応できないが、ヴェルファイアは対応して性能が高い。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも備わる。従って、装備の価格換算はほぼ同額だ。

 そうなるとヴォクシーのハイブリッド換算額が注目される。グレードの計算方法によって少し差が生じるが、ハイブリッドの換算額は約40万円だ。価格は約9万円ヴェルファイアが高いから、この金額を加えた49万円がヴェルファイアとヴォクシーの「正味価格差」になる。

 内装の質、3列目シートの座り心地、乗り心地は、ヴェルファイアのほうが明らかに勝る。49万円の価値は充分にあり、ヴェルファイアが買い得だ。

【判定人の結論】 ヴェルファイアが質感で明らかに勝る。ヴェルファイアが買いだ!

【HONDA対決】 ステップワゴン スパーダハイブリッドGホンダセンシング vs オデッセイ アブソルートEXホンダセンシング [価格約350万円]

【ひとつ下モデル】 ステップワゴン スパーダハイブリッドGホンダセンシング(355万9680円)

【ひとつ上モデル】 オデッセイ アブソルートEXホンダセンシング(354万円)

 装備はオデッセイが充実しており、サイド&カーテンエアバッグ、スマートパーキングアシスト、前席の電動機能などを装着した。これらの装備の換算額は25万円だ。オデッセイはボディが大きく、さらに装備も充実させた。

 いっぽう、ステップワゴンにはハイブリッドが備わる。オデッセイハイブリッドと基本的には同じシステムだが、換算額は異なる。ステップワゴンはライバル車との競争が激しく、ハイブリッドの「正味価格」は50万円だ。

 そして両車の価格を比べると約2万円オデッセイが安いから、装備換算額は27万円に計算される。この金額をハイブリッド価格の50万円から引いた23万円が、オデッセイとステップワゴンの「正味価格差」だ。

 機能は似ているが、3列目の居住性はオデッセイが快適で、走行安定性でも勝る。オデッセイが買い得だ。

【判定人の結論】 正味価格23万円差ならオデッセイがいい! オデッセイが買いだ!

【SUZUKI対決】 スペーシアハイブリッドX vs ソリオG [価格約150万円]

【ひとつ下モデル】 スペーシア ハイブリッドX(146万8000円)。装備充実の最上級モデル

【ひとつ上モデル】 ソリオG(145万4760円)。マイルドハイブリッドなしの1.2L搭載車

 ソリオGは最も安価なグレードで装備も簡素だ。スペーシアハイブリッドXが装着するマイルドハイブリッド機能、緊急自動ブレーキ、右側スライドドアの電動機能、ロールサンシェード、アルミホイールなどは装着されない。

 マイルドハイブリッドの換算額は4万円、緊急自動ブレーキは6万円、その他装備が10万円だから、スペーシアは装備が合計20万円充実する。

 いっぽう、エンジンはソリオが1.2Lでスペーシアは660ccだから500ccの差と考える。100cc当たり2万円とするとソリオのエンジンは10万円高い。

 この10万円ぶんをスペーシアとの装備差20万円から差し引きし、さらに2車の価格差1万円を引いた9万円が2車の「正味価格差」になる。スペーシアは9万円割高だが、車内が広く安全装備も充実しているのでスペーシアが買い得だ。

【判定人の結論】 スペーシアの最上級車は買い得感が高い。スペーシアが買いだ!

【TOYOTA対決2】 ルーミー G-T vs ポルテ X [価格約180万円]

【ひとつ下モデル】 ルーミーG-T(180万3600円)。ノーマル仕様の1Lターボ搭載車

【ひとつ上モデル】 ポルテX(182万8440円)。前席セパレートシートのベーシックモデル

 ルーミーG-Tの1Lターボは、ポルテXの自然吸気1.5Lと同等の性能だ。エンジン価格は同額になる。

 緊急自動ブレーキは、ルーミーは歩行者を検知して警報だけは行うが、ポルテは検知もできない。ほかの機能もルーミーが少し充実して、後席を左右分割して畳んだり、荷室の床を反転させると汚れ防止の素材になる。

 その点でポルテXは価格が最も安価なグレードだから、後席の座面を持ち上げて車内の中央に荷物を積める機能などを省いた。買い得なのは187万9200円のFだ。

 わずかな差額で、この勝負はルーミーの勝ちだ。しかしFを選べば逆転する。「正味価格差」は同等ながら、価格換算できない走行安定性、操舵感、乗り心地ではポルテが勝ってルーミーは劣るからだ。

【判定人の結論】 最も安いポルテは装備内容が乏しい。ルーミーが買いだ!

【VW対決】 ポロ TSIハイライン vs ゴルフ TSIトレンドライン [価格約260万円]

【ひとつ下モデル】 VWポロTSIハイライン(265万円)。現在、新型ポロは全車1L直3ターボエンジン(95ps/17.9kgm)を搭載。ハイラインは最上級グレード

【ひとつ上モデル】 VWゴルフTSIトレンドライン(253万9000円)。ベーシックグレードで、エンジンは1.2Lターボ

 ポロのエンジンは直列3気筒1Lターボ(95ps/17.9kgm)、ゴルフは4気筒1.2Lターボ(105ps/17.8kgm)という差はあるが、動力性能は同等レベルだ。

 装備を比べると、ポロハイラインには車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、LEDヘッドランプ、スマートエントリー&スタートなど50万円相当が加わる。

 そして価格はポロハイラインが11万円高い。そこで50万円の装備差額から11万円を引いた39万円が、ポロとゴルフの「正味価格差」だ。

 ポロは現行型で質感を高めたが、後席の足元空間は、少し広げたものの相変わらず狭い。3気筒1Lエンジンは、ゴルフの4気筒1.2Lに比べて、1500回転以下でトルクの落ち込みが気になる。ノイズも全般的に大きく、特に4000回転以上が騒々しい。

 新型ポロのエンジンは先代ポロに劣る。また乗り心地、操舵に対する正確性、安定性は現行型で向上したが、ゴルフには負ける。

 従ってゴルフの勝ちだ。

【判定人の結論】 ポロはエンジンフィールでゴルフに負ける。ゴルフが買い!

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