一時報道が過熱した“危険なバス停”は本当にキケンなのか

車優先から歩行者優先の考え方への移行で安全を

 バス停には歴史がある。設置までには地元住民たちのさまざまな要望や議論があり、地域や利用者に良かれと考えられて設置されたところがほとんどだ。

 筆者の関わるある地域で、地元要望もあり、事業者も現有資源の中で対応可能ということで新たな道路に路線を新設しようとしたところ、片側1車線で交通量が多いので、バスベイがない限り渋滞を誘発するという理由でバス停の設置が警察から認められず、頓挫しているケースがある。

 「危険なバス停」の議論も、交通量が多い、みんながスピードを出す場所だからといった、車優先の考え方が根底にあるように思える。本来大切なことは「バス停があるからこそ注意して運転する」歩行者優先の安全意識を徹底することではないのだろうか。

 2019年だったか、あるテレビのワイドショー番組で「危険なバス停」を採り上げたいのでコメンテーターで出演してもらえないかという打診があった。

 打ち合わせのやり取りで、これまで述べてきたようなことをつらつら申し上げたところ、だんだん相手が無口になり、結果として「じゃ、いいですぅ」ということになった。

 おそらくこのようなバス停は危険なので早急に対策をすべきといったコメントを得たかったのだろう。すべてがそうだとは言わないが、最初から意図的な結論ありきの報道のあり方にも問題があったのではないかと思う。

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