これから3年間。クルマ界にとって、そしてクルマ好きにとって大きな節目となりそうな時間が訪れる。
というのも、欧州では2025年から厳しい排気ガス規制「ユーロ7」が始まり、さらにその前年、2024年からは厳しい騒音規制「フェーズ3」も始まる予定。
また米国や欧州で採用され、日本でも追随する動きのある「CAFE規制」など、日本にとっても影響を受けそうな法規制も2025年前後に始まる。
海外の規制で日本はどのような影響を受けるのか? 純エンジン車は2025年以降も販売を続けられるの? など、3年後に迫った規制の影響や今後を国沢光宏氏が考察!!
※本稿は2022年6月のものです
文/国沢光宏、写真/Adobestock、ベストカー編集部 ほか
初出/ベストカー2022年7月26日号
■現時点で欧米に導入予定の法規制で考える
2025年、日本車を取り巻く環境はどうなるか? ここにきて状況が読めなくなってきた。
そもそも日本独自で決める基準なんか“ほぼ”無い。外国で決まったことを追いかけるだけ。
ということで外国の規制を見ると流動的だったりして。本来なら欧州は2025年から『ユーロ7』という厳しい厳しい排気ガス規制が始まり、2024年には厳しい厳しい騒音規制『フェーズ3』も始まる予定。
この2つは純エンジン車の息の根を止めることになります。
というのもエンジンだけで走らせようとしたら、加速時に汚染された排気ガスを出し、燃焼圧力が上がるため騒音レベル(音圧)も上がる。
ユーロ7は「どんな走り方をしても排気ガスは大気よりクリーン」。フェーズ3も「エンジン音が聞こえたらアウト」という厳しさ。どちらもハイブリッドが必要。
はたまたアメリカは2026年から21km/LというCAFEの導入を決めた。
排気量の大きいクルマが多いアメリカで平均21km/Lをクリアしようとしたら、最低でハイブリッド。その上で電気自動車やPHVを相当数販売しなければならない。
トヨタのように燃費のよいクルマが多いメーカーじゃないとスポーツモデルなんか作れなくなる。
■「対岸の火事」?? いやいや、海外の排気&騒音規制は他人事ではない!
ここまで読んで「それって欧州やアメリカの話では?」と思うことだろう。
そのとおりなのだけれど、日本で販売されるクルマのパワーユニットって海外と共通。
日本専売のパワーユニットを開発してもコスト的に折り合わないためだ。自然に欧州とアメリカで売るクルマと同じコンセプトになってしまう。パワーユニットでいえばハイブリッドしかない。
といったことを考えると、日本でもユーロ7と同等の排気ガス規制と、フェーズ3の騒音規制、そしてアメリカのCAFEに適合したクルマしか売れなくなると考えていいだろう。
2025年からのユーロ7と、既存のクルマにもフェーズ3が義務付けられる2026年(文頭に書いたとおり1〜2年ズレる可能性も出てきた)あたりから絶版車がドンドン出てくると考えていい。
すなわちフェアレディZやGRヤリス、86/BRZに代表される純エンジン車は、遅くとも2027年秋以降、新車での登録ができなくなることを意味する。
2025年になると最後の純エンジン車を新車で買おうという人もたくさん出てくるだろうから、オーダーストップということになりそう。
もしも純エンジン車を新車から乗りたいと思うなら、2024年までにオーダーすることをすすめておく。
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コメント
コメントの使い方EVの静かで上質の走りが好きだからガソリン車を全て規制しても一向に問題なし。