【ドイツ】FGS・ローライナー 6×2冷凍バン
フォードの小型商用車・トランジットをベースとした冷凍バンで、大型トラックのように後輪がタンデム2軸となっている。
これは、ドイツのシャシー改造メーカー・FGS社が開発した超低床トレーラ用アルミ製ラダーフレーム2軸シャシーを、トランジットの前輪駆動キャブ付シャシーと組み合わせたものだ。
前はフォード製、後は「FGS製のニコイチ」ともいえるが、完成車メーカー標準シャシーでは不可能なレベルの荷室低床化、大容積化を実現させている。
【ドイツ】アルゲマ・ブリッツラーダー2
ドイツの車両運搬車メーカー・アルゲマ社が開発したユニークな1台積み車載車。上のFGS製FWD超低床6×2シャシーに関節機構を組み込んであり荷台シャシー部全体がスロープになる。
積載できるのは乗用車程度だが、軽量・超低床を実現する合理的なアイディアだ。GVWが6tに達するモデルもあるため、後輪駆動トラックシャシーでも成立可能である。
【ドイツ】ルトマン・カーゴローダーRCP50
ドイツの特装車メーカー・ルトマン社のカーゴローダーRCPシリーズは、なんと荷台のないトラックシャシーだ。
前輪駆動トラックのキャブから後を独自の左右独立式フレームとし、その間にコンテナを挟んで運ぶ。後輪は油圧式サスペンションで、コンテナの高さを調整できる。
【ベトナム】ヒェプホア・タウナー露地用塵芥収集車
ベトナムの自動車メーカー・THACOのタウナー800CS(中国・哈飛汽車の「中意」=原型はスズキ・キャリイ=を国産化したもの)をベースに、特装車メーカー・ヒェプホア特装車がリフトダンプを架装したもので、写真は都市内で集めたごみを大型塵芥車へ積み替えるデモ風景である。
【パキスタン】CHIL・ミニ消毒車
パキスタンの特装車メーカー・CHILが、スズキ・キャリイの同国生産車ラビをベースに開発した新型コロナ対策車。
消毒液タンクとスプレーガンを架装したもので、市街地や施設内で噴霧するという。
【イタリア/チェコ】ピアッジオ・ポーターマキシI-TEK脱着ボディ車
イタリアのピアッジオ社は、2020年までダイハツ・ハイゼットのイタリア版・ポーターを生産していた。
写真はそのGVW2.2tモデル・ポーターマキシの4WDモデルをベースに、チェコのI-TEK社がカルヴァット社製コンテナ脱着装置を架装したもの。
【番外コラム】イタリアの変なトラックたち
イタリアには、山間部の古い街などの公共サービスのために開発・生産されるトラックがある。狭隘な道路を通行できるコンパクトサイズながら、重架装を可能とする頑丈なシャシーを備えたトラックは日本を含めてどこにもなく、既存コンポーネントも活用しつつ生産されているのが、この3台だ。
●フーアルト・M12消防車…フーアルト社は「全幅1.8mの大型トラック」を実現するために起業されたベンチャーで、2008年に初代フーアルト10/12を完成させた。GVW10~12t車ながら、最小モデルはトヨタ・アルファードとほぼ同じサイズである。写真のM12はその改良モデルで、イタリアの消防機材メーカー・ローゼンファイアー社が消防ポンプ装置を架装、国家消防救助隊が導入したものだ。
●ボネッティ・F100Xタンクローリ…F100Xは、全長4.0~4.7m・全幅1.65mとトヨタ・タウンエースとほぼ同サイズながら、頑丈なシャシーと3.0Lディーゼルエンジン、センターデフ付4WDシステムを備えたGVW3.5tトラックで、山間の狭隘な市街で働くことを目的としたクルマだ。写真は石油タンクローリを架装したもの。
●テクネ・グラエリオン…テクネ社のグラエリオンも、狭い道路を通行可能なサイズのGVW6t/7.5t級トラックだが、こちらは本格的な悪路走破性を備えた総輪駆動車で、3.0Lディーゼルエンジンを搭載する。写真はナックルブーム式クレーンとダンプボディを架装したデモカー。
【画像ギャラリー】特殊な環境下で独自の進化を遂げた特装車たちをギャラリーでチェック!(8枚)画像ギャラリー
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