駆動方式まで変わる輸入スポーツセダンも!
■ベンツAMG E63S、BMW M5
どちらも4WDの最強スポーツセダンであるこの2台は、ドライブモードに加え、E63 AMG Sは「ドリフトモード」、M5は「2WDモード」という、その名の通り腕があればクローズドコースで4WDを2WD(=後輪駆動状態)にして、大パワーを生かしたドリフト走行ができるモードを備える。
こういったモードを用意し、ドライバーを楽しませようという発想にAMGやMの奥深さを痛感する。
■アルファロメオ ジュリア クアトリドフォリオ
ジュリアクアドリフォリオは、スポーティな方から「レースモード」、「D」(ダイナミック)、「N」(ニュートラル)、「A」(アドバンスエフィシエンシー≒エコモード)という4つの走行モードを持つ。
レースモードとDモードはスポーツ走行用としても、Nモードですら一般走行ではハンドル操作に対する反応がシャープすぎるほど。普通に乗るときにはAモードを積極的に選びたくなるくらいだ。
この設定には賛否はあるにせよ、イタリア車のスーパースポーツセダンらしい刺激を持つとも言える。
「エコモード」か否かで激変する車も!
■ノート&セレナe-POWER、リーフ
この3台は電動車ということもあり、「エコモード」では不便のない範囲で車が重くなったように加速が緩やかに。「Sモード」だとアクセル操作に対するレスポンスが非常にシャープになり、速さを感じるという大きな変化がある。
さらにノート&セレナe-POWERでは、エコモードとSモード、リーフでは「e-ペダルモード」をオンにすると、アクセルオフ時にほどよい範囲で強い回生制動が掛かり、停止まで可能なワンペダルドライブが可能に。
好みはあるにせよ楽しみながら航続距離を向上できる。
■輸入車のエコモード
輸入車のエコモードでは性格、特性が大きく変わるものが2つある。
1つ目はVWやポルシェ、ボルボなどの2ペダル車で、これらはエコモードにするとアクセル全閉時にエンジンブレーキが掛からずニュートラル(=空走状態)となり、状況次第では燃費向上につながる。
2つ目はフィアットやアバルトのコンパクトカーのように、エコモードではアクセル操作に対するレスポンスが遅さを感じるくらい極端に鈍くなるというもの。良し悪しは別にして激変度は大きい。
ドライブモードで乗り味の変化が少ない車は?
多くの場合、ドライブモードの変更で“それなりの変化”はあるものだが、逆にあまり変わらないモデルもある。以下がその代表例だ。
■トヨタの実用車、ホンダ車のECONモード(登録車)
ハイブリッドを中心としたトヨタの実用車には、「エコ」(アクセル操作に対するレスポンスがマイルドになり、エアコンも緩め)、「ノーマル」、「スポーツ」(アクセル操作に対するレスポンスがシャープになる)の3モードがあることが多い。
3つのモードに違いはあるのだが、大差というほどの違いはなく、多くの場合は「普段使いには燃費も良さそうで、アクセル操作に対するレスポンスがマイルドなぶん運転しやすいエコモードが良い」と感じる。ホンダの登録車の「ECONモード」も近い印象だ。
■マツダ車(AT)のスポーツモード
ガソリンエンジンのマツダ車(AT)にある「スポーツモード」は、確かにアクセル操作に対するレスポンスがシャープに、シフトスケジュールがスポーティ方向になるという変化はあるが、だからといってノーマルモードで不満があることもほとんどなく、「なくてもいい」とも感じる。
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車の電子制御化を生かしたドライブモードの多様化は、そうコストが掛かるものでもない点を考えると、基本的に歓迎していいことだろう。
“ドライブモード”はあくまで総称で、ここまで紹介したように、「ボタン一つで変わる範囲」はモデル毎に大きく異なる。それだけに走行モードが選べる車に乗った際は、走行シーンに合ったものを選びたいものだ。
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