走行するならば、速度を落として車間を十分に
しかし、霧はいつ晴れるかわかりませんし、場合によっては、注意しながら走行して安全な場所まで移動しなければいけないこともあります。やむを得ず走行する場合は、次のような点に留意することが大切です。
・速度を落として、車間距離を十分とる
走行中に霧が出てきて視界が悪くなった場合、自車や対向車の車線逸脱、人や自転車の不意の飛び出し、前走車の急停止など、気づくのが起これるため事故のリスクが高まります。そのためには、事故が回避できるように車速を落とす、十分な車間距離を確保することが大切です。特に、スピードが出やすい高速走行では、車速と車間距離に一般路以上に注意しなければいけません。
・ヘッドライトは、ハイビームでなくロービームに
視界が悪くなるとヘッドライトをハイビームにしがちですが、濃霧の中ではこれは逆効果です。ライトの光が霧で乱反射してかえって視界が低下してしまいます。またハイビーム走行は、歩行者や対向車も眩惑させて危険なので、不必要にハイビームを使用することは避けなければいけません。ちなみに、不必要にハイビームを使うと減光等義務違反になります。
・フォグランプの点灯
自車にフォグランプが装備されている場合は、フォグランプを点灯しましょう。フォグランプは、視界を確保するとともに、対向車に自車の存在を知らせることになり、事故回避に有効です。フォグランプは、法規で白色または淡黄色と決まられており、比較的、近距離前方下部の広い範囲の視認性が確保できるようになっています。
・車線両サイドのラインを意識して運転
前方が見えにくくなると、目印がなくなり、自分が車道のどの位置を走行しているか認識しづらくなります。センターラインや路肩・路側帯の白線などを意識して走行すると、車線を逸脱することがなく安全です。
運転支援は使わないで!!
近年は、先進運転支援システムのACC(アダプティブクルーズ・コントロール:追従機能付クルーズコントロール)の普及が進んでいますが、濃霧の中ではカメラやレーダーによるセンシング精度が低下して、先行車の正しい情報収集ができなくなります。特にカメラの場合は、基本的に人間と同様に視界が確保できなくなるので、ACCは正常に機能しなくなる可能性があります。
通常は、クルマ側が察知して機能をキャンセルしますが、たとえ機能したとしても走行中に突然機能しなくなるリスクが発生するので、濃霧では絶対に使用しないようにしましょう。運転支援システムは、自己責任での使用が原則で、過信は禁物です。
◆ ◆ ◆
濃霧では、ゆっくり走る安全運転が基本です。ただ、前方数10m先も見えない状況の場合は、安全のため、いったん走行を中断して、退避するようにしてください。そして、天気情報や交通情報を把握した上で、晴れるまで待つ、ルートを変更するなど、最善の対応をとるようにしてください。
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