ベースのトヨタよりレクサスが割安だったモデルは?
ほかの「トヨタVSレクサス」も、概して後者が高いが、稀に逆のパターンもある。それが以前のSAIとレクサスHS250hであった。
この2車種は直列4気筒2.4Lエンジンをベースとしたハイブリッドを搭載して、通常のガソリンエンジンは選べなかった。
プラットフォームだけでなく、ボディの基本部分まで共通化され、トヨタとレクサスという違いはあっても姉妹車の関係に近い。ハイブリッドによる低燃費と、セダンでは背の高いボディ(HS250hの発売時点の全高は1505mm)による広い車内が特徴だった。
装備は当然レクサスブランドのHS250hが充実しており、乗り心地も違う。SAIは50km/h以下で乗り心地の硬さが目立ち、マイナーチェンジしてもあまり改善されなかったが、HS250hは比較的快適であった。
そして販売終了時点の価格は、SAIにカーナビなどを標準装着した「G」が393万8073円、HS250hは434万7000円であった。
HS250hはSAI・Gに比べて約41万円高いが、パフォーマンスダンパーを装着した足まわりは、前述のように安定性と乗り心地が優れていた。ヘッドランプの照射範囲を進行方向に応じて変化させるインテリジェントAFSも備える。
さらにHS250hでは、内装の作りや遮音性能を向上させ、通信機能の「Gリンク」も緊急時のヘルプネットを含めて3年分が無料付帯された。これらの価値を価格に換算すると、SAIよりもHS250hの方が少し割安であった。
ただし、HS250hの販売終了後、これを上まわる買い得なレクサスは登場していない。また最近のレクサスでは、トヨタブランドと比べた時の割高感が目立つようになった。
◆評価:レクサスHS250hが買い得
フーガより150万円高のシーマに相応の価値はある?
現行型の日産 シーマは、フーガハイブリッドのロング版といった位置付けのモデルだ。
シーマの全長は、フーガハイブリッドに比べて140mm、ホイールベースは150mm長い。全高は最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)が同じグレード同士ならば1510mmで等しい。全幅も両車とも1845mmで同じ数値だ。
つまり、シーマはフーガハイブリッドの後席を広げた仕様で、フロントマスクやインパネの質も高めた。それでも基本的な形状は同じだ。
ハイブリッドシステムは、両車ともV型6気筒3.5Lがベース。JC08モード燃費は、フーガハイブリッドが17.8~18km/L、シーマは15.6km/Lだ。車重はフーガハイブリッドが1830~1880kg、シーマは1930~1950kgだから約100kg重い。
そのため動力性能はフーガハイブリッドに余裕があり、走行安定性も上まわる。シーマは加速時とカーブを曲がる時の両方で、ボディの重さを意識させる。
その替わり乗り心地はシーマのほうが快適だ。ベース部分は共通でも、ホイールベースと足まわりの設定が異なるため、運転感覚も違う。
価格はフーガハイブリッドVIPが696万4509円、シーマハイブリッドVIPは848万6640円。シーマが152万円高い。
シーマはボディを拡大して「ダブルピストンショックアブソーバー」を装着するなどメカニズムも上級化するが、一般的にはボディの拡大が50万円、内外装の質感向上が30万円、装備の上級化が20万円といった具合だろう。
合計しても100万円の上乗せが妥当で、152万円の価格上昇には割高感が伴う。
◆評価:フーガハイブリッドが買い得
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