単なる高額車!? それとも高級車!? 大衆車ベースの“高級車”は割高か納得か

「基本はVWゴルフ」のアウディA3は買い得?

 VWゴルフと、アウディA3は共通のプラットフォームを使う。ゴルフの1.2Lターボはリアサスペンションが車軸式のトレーリングアームだが、1.4Lターボのハイラインであれば独立式の4リンクで、アウディA3と同じ組み合わせだ。

 ホイールベースも、両車とも2635mmで等しい。全幅はアウディA3が若干狭いが、車内の広さは同程度だ。

 内装はプレミアムブランドとあってアウディA3が上質だ。シートの座り心地も、少し柔軟に仕上げた。

 運転感覚では乗り心地が異なる。ゴルフも相応に快適だが、アウディA3は足まわりがさらに柔軟に動く。路面の段差など、大きなデコボコを通過した時でも、アウディA3は乗員に伝わる振動の角が丸い。ボディがコンパクトな割に、乗り心地は上質だ。

 走行安定性は“注釈”が必要になる。ゴルフは後輪が車軸式になる1.2Lターボを含めて、基本的に安定重視だが、1.4Lのハイラインだけは性格が少し違う。

 前輪の路面をつかむ力が強く、峠道などでは車両の向きを変えやすいが、状況に応じて後輪の接地性が削がれる。下りカーブを曲がる時に、不用意にアクセルペダルを戻したりすると、この動きが生じやすい。ゴルフ ハイラインに比べると、アウディA3は走行安定性のバランスが良い。

 動力性能は、ゴルフとアウディA3の1.4Lターボ同士で比べると、ゴルフが少し勝る。気筒休止機能の備わるタイプで、最高出力は140馬力、最大トルクは25.5kgmだ。アウディA3は122馬力・20.4kgmにとどまる。

 実用回転域の駆動力も違うが、ゴルフ ハイラインは特に高回転域の吹き上がりが活発。操舵感は前述のように少しクセがあるが、良く曲がるからパワフルなエンジンと相まって運転が楽しく感じる。

 つまり、ゴルフ ハイラインはスポーティ、アウディA3は落ち着いた印象が強く、上下というよりも“並列”の関係にある。

 価格はゴルフハイラインが331万9000円、アウディA3スポーツバック 30TFSIスポーツは332万円。ほぼ同額だが、30TFSIスポーツでは、LEDヘッドランプやリヤビューカメラなどがオプション設定になる。これらをオプションで装着すると約40万円の価格上昇だが、アウディA3は割安だ。

 つまり、アウディはプレミアムブランドでありながら、A3については装備・質感・価格などがVWゴルフに近い。アウディのブランドイメージを好むユーザーには買い得だろう。

◆評価:アウディA3が買い得

VWゴルフ/全長×全幅×全高:4265×1800×1480mm、エンジン:1.4Lターボ(140ps/25.5kgm)、価格:331万9000円(TSIハイライン)

アウディA3 スポーツバック/全長×全幅×全高:4325×1785×1450mm、エンジン:1.4Lターボ(122ps/20.4kgm)、価格:332万円(30TFSIスポーツ)

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