超大人気のスズキのオフローダーであるジムニー。徐々に納車待ちの時間も短くなってきたようだ。1.5Lになったシエラは動力性能も抜群で長距離移動も十二分。
しかしファンが大きく期待しているのは5ドアのジムニー。普通のジムニーの存在だけでも奇跡的なのに、5ドアなんて贅沢ちゃいますの!? なんて思うが、欲しいものは欲しい。
そんな待望の5ドアジムニー。東南アジアで実現するかも、なんて情報が入ってきました。
文/写真:ベストカー編集部
ベストカー2018年12月10日号
■タイの新工場で5ドアジムニーの生産を目指す!?
実に20年ぶりというフルモデルチェンジを受け、2018年7月に登場した4代目ジムニー。
ラダーフレームにリジッドアクスルといったタフな作りと伝統は継承しつつ、よりスクエアに変更された外観は魅力にあふれ、いまだに納期1年以上といわれるほどの高い人気を集めている。
そのジムニーになんと、さらなる衝撃モデルが用意されていることが判明した。ホイールベースが延長され、ドア数も増やされた5ドアモデルが設定されるというのだ。
日本では歴代ジムニーに5ドアモデルが設定されたことがないため、荒唐無稽な話に聞こえるかもしれない。
だが、新型ジムニー発表会の場で鈴木俊宏社長自らが、5ドアの可能性について「まずは3ドアでいきますが、おいおい市場の声も聞きながら検討していきたい」と含みを残す発言をしているのだ。
これだけ売れているジムニーだけに、ジムニーは本来プロユースにも耐える優れた道具だということを充分に理解していないライトユーザーも相当数いるはず。
そういったライトユーザーが日常シーンでの使い勝手、特に後席に人を乗せる際の使い勝手に不満の声を上げることは充分考えられる。
となれば鈴木社長が検討するとした5ドアモデルの設定は、もはや時間の問題といえる。
現在、ジムニーの生産はすべて静岡の湖西工場で行われている。すでに長期の納車待ちが発生している状況。
そこにきてさらに人気を集めそうなモデルを追加することに疑問と不安を感じる向きもあるだろうが、このジムニー5ドアの生産はタイで行われるので問題ない。
生産を行うスズキ・モーター・タイランド社は、来年の稼働を目指して現在、設備の拡充中だ。
生産はまず5ドアモデルの需要が見込める現地向けから開始し、生産キャパシティに余裕が出てきた段階で、日本向けモデルを生産する。
タイは日本と同じ左側通行。ハンドル位置の変更が発生しないという点でも、日本導入へのハードルは低い。
■250mm延長のホイールベースで実用性アップ
さて、日本導入に向け水面下で着々と準備が進行中のジムニー5ドア、いかなるクルマになるのか。
ベースとなるのはジムニーの登録車版、シエラだ。ホイールベースと全長を延長した段階で、日本の軽規格に合致しなくなる。
そのためジムニーのボディにこだわるメリットはない。後席に人が乗る機会が増えることを考えても、評価の高い1.5Lエンジンを積むシエラが最適だ。
ホイールベースの延長は250mm、全長は3900mm程度となることが予想される。現代の基準からすると、まだまだ充分コンパクトといえるボディサイズだ。
しかし後席膝もと空間には余裕が生まれ、もともとのスクエアなボディ形状もあって、室内の快適性は大きく向上することになる。
ジムニーということで気になる走行性能だが、エンジンはシエラと同じ1.5L、ラダーフレームやリジッドアクスル、サブトランスファーの装備といった車体構造も変えられることがないため、基本的にベースのシエラと大きく変わるところはない。
ホイールベースの延長はランプブレークオーバーアングルに影響するため、厳密に言えばモーグル走行をするようなシーンにおいては、やはり3ドア有利となる。
ただ5ドアモデル登場後は、どこまでも悪路走破性を求める人は3ドア、タフな走りと日常性のバランスを重視する人は5ドアというように、選択が分かれることになるだろう。
日本にはすでにクロスビーという5ドアSUVが存在しているが、クロスビーが重視するのは日常性と快適性。
たとえ5ドアになっても、どこまでも実用性に軸足を置くジムニーとはキャラクターが根本的に異なる。
身内でユーザーを奪い合うようなことにもならないはずだ。ジムニー5ドア登場によるデメリットは、どこにもないのだ。
ジムニー5ドアのデビューは2020年と予想。210万〜240万円程度の価格で登場してくるだろう。
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