あ…圧倒的だった…スイフトスポーツより安くて楽しいクルマを世界で探したら、なかった話

「走りが楽しいコンパクトモデル」はほかにもあるが…

 走りの楽しさを追求したモデルということであれば、スイフトスポーツの他にも魅力的なモデルはある。たとえば、ニュルブルクリンクでFF最速モデルの座をかけてライバルと競い合う、ルノー「メガーヌR.S.」だ。221kW(300PS)のパワーを絞り出す1.8L 直4直噴ターボに、走りに関するあらゆる数々の最新デバイスが満載。その走りは刺激的で、サーキットに持ち込んでも満足のいくパフォーマンスを発揮してくれるモデルだ。しかしその価格は519万円〜と、もはや高級車。

 スイスポに比較的サイズの近い、フォルクスワーゲンの新型「ポロGTi」(日本未導入)もライバルとなり得るが、価格は30万ユーロ程度(日本円で約430万円)と、こちらもかなり高価だ。

 他にもWRCでヤリスと戦っているヒョンデのi20は、6速MT仕様はあるが120ps程度の一般的なコンパクトカーと変わらず、スポーティとはいえない。またフォードのプーマには155psを発揮する1.Lエコブーストターボの6速MTがあるが、25,845ポンド(日本円で422万円)と、こちらもかなりお高めだ。

 国産モデルでは、ホットハッチではないが、走りの楽しさという点ではマツダ「ロードスター」がある。世界の軽量スポーツカーに影響を与えた偉大なコンパクトオープンスポーツであり、その走りは文句なしに楽しい。しかし2シーターの実用性と、262万3,500円〜という価格を考えると、趣味性の高い贅沢な選択肢となってしまう。

 おそらく一番のライバルとなりそうなのが、トヨタ「GRヤリス」だろう。WRC(世界ラリー選手権)のホモロゲーションモデルとして開発され、ベーシックなヤリスとは基本設計から異なる本格的なホットハッチだ。スポーツ4WD+1.6L 直3ターボエンジンは価格も高いので別格として、FF+1.5L 直3ガソリンNAモデルでも、最高出力は88kW(120PS)、最大トルクは145Nm(14.8kgm)、専用チューニングサスペンション、カーボンルーフ、アルミ製パネルなど、GRモデルの魅力とパフォーマンスを気軽に楽しめる仕様となっている。

 価格は265万円と、このシャシーがもたらすハンドリング性能と本格的な仕様を考えると価値ある選択肢ではあるが、車両重量が1,130kgとなることやMTが選べないこと、3ドアしかないことなどを総合的に考慮すると、スイフトスポーツの軽快感とコストパフォーマンスには、やはり敵わない。

GRヤリス。車両のコンセプトと成り立ちから考えるとスイスポとは単純に比較できないかもしれないが、本気のホットハッチであることには間違いない
GRヤリス。車両のコンセプトと成り立ちから考えるとスイスポとは単純に比較できないかもしれないが、本気のホットハッチであることには間違いない

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 コンパクトで実用的な5ドア、徹底的な軽量化による走りの楽しさ、若い人でも買いやすい価格。純ガソリンモデルが徐々に消滅していく昨今、スイフトスポーツのような安くて楽しいクルマは、もう2度と現れないと思われる。国産随一ともいえるこの魅力的なモデルに、ライバルは不在だ。

【画像ギャラリー】安くて楽しいクルマ、スズキ「スイフトスポーツ」の現行型と、そのライバルになりそうなモデルたち(16枚)画像ギャラリー

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