クラウンだから生まれたエピソード 8選 初代誕生から最新15代まで

episode3 クラウンの北米仕様

クラウンは国内専売と思っている方も多いが、初代クラウンから北米に輸出されていた。これは1959年のシカゴオートショーに出展されたクラウンで、出展したのはハリウッド・トヨタという販売会社だった。現代のコンパニオンとでもいうべき女性は日系二世の方が務めたという。

1958年6月、最初に輸出されたクラウンは30台で、ヘッドライトの照度が足らず、日本からヘッドライトを付けずに輸出し、現地でGE製のヘッドライトを装着したという。

また高速道路でのパワー不足や高速安定性の悪さや振動などの問題が持ち上がり、クラウンは一旦撤退を余儀なくされた。

和服女性の横には松があり、純和風だ

episode4 クラウンのCMコピー

クラウンに名コピーは多いが、やはり最も印象に残っているのは1983年に誕生した7代目クラウンの「いつかはクラウン」だろう。

2010年に行われた「あなたが選ぶ歴代クラウンベストCM」というキャンペーンでも「いつかはクラウン」が1位、2位が1974年誕生の5代目「美しい日本のクラウン」3位が2003年誕生12代目の「ZERO CROWN」だった。

ちなみに販売台数が最も多いのは8代目で、バブル期の1990年にはシリーズで23万9858台も売れている。この年は月間販売台数で、カローラを凌いだこともあった。

クラウンのコピーは時代を表わしているといわれるが、MC時に生まれたキャッチにも面白いものが多い

episode5 幻の空港リムジンカー

クラウン60年の歴史のなかで最大の「びっくり」はこのモデルだろう。1977年に行われた第22回東京モーターショーに出展された「空港リムジン」という名のモデルがすごい。

ご覧のように5代目クラウンのワゴン仕様カスタムをベースにホイールベースを350mmまでストレッチ、全長は5560mmという巨大なモデルで6ドアの9人乗りだ。

エンジンはベースにもあった2.6L、140psというものだった。当時すでにハイエースはあったが、こちらのほうが“フォーマル”だったのだろうか!?

残念ながら市販されなかったが、インテリアまでしっかり作ってあり、かなり本気だったことがわかる。

さすが全長5560mmは長い! ルーフには9人ぶんのトランクが載っているところにも注目

episode6 日本シリーズMVPの副賞

トヨタが野球の日本シリーズの最高殊勲選手賞としてクルマを提供し始めたのは1954年のRH型トヨペットスーパーが最初だが、翌1955年からはクラウンとなった。トヨタの提供は2006年まで続くが、日本シリーズにめっぽう強かったチョーさんこと長嶋茂雄氏は1963、1965、1969、1970年と4回輝き、4台のクラウンをゲットした記録が残る。

episode7 クラウンのブライダル仕様

1989年クラウンセダンをベースに開発され、1996年クラウンコンフォートに引き継がれた。文金高島田の花嫁さんがそのまま乗れるように、後席左側の天窓が開く仕様があった。

これはクラウンコンフォートだけでなく、オーテックジャパンが製作したY31セドリックにも同様のブライダル仕様があった。タクシー会社にもよるが、だいたい料金が高かったそうだ。

花嫁さんの送迎はミニバンが主流となり、クラウンコンフォートのブライダル仕様もラインアップから外れていった。

後席の屋根が開くことで文金高島田を結ったお嫁さんが楽に乗り降りできたクラウンコンフォート

次ページは : episode8 クラウンのオープン

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