カッコよくて優秀な中国ホンダ製ヴェゼルEVを日本で売らない理由

ホンダが中国市場で発表したヴェゼルベースのEV「VE-1」。このクルマはルックスもかっこいいし、これまでのエコ一辺倒のEVからすると新たなトビラが開かれたように思われる。

そんなホンダのVE-1、中国で生産されるのだがその技術は最新のものが応用され、しかも安全性も非常に高いという。

なぜいま中国で新規EVをホンダが出したのか。そして日本市場への親和性はいかに?

文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部
2019年1月10日号


■中国のバッテリー技術を侮るなかれ

中国の広州ショーで、突如ホンダがリーフに勝るとも劣らないスペックの電気自動車『VE-1』を発表した。なにしろ搭載している電池の容量はリーフの40kWhを大幅に凌ぐ53.6kWhもある!

JC08モードの航続距離表示だと500kmを超えるレベル。実力に極めて近いNEDO表示でも340kmとモンクなし。モーター出力だって163馬力でリーフの150馬力を凌ぐ。

となると気になるのが日本でも売るかどうか。売れば日産にとって極めて手強いライバルになるだろう。まずVE-1の素性から紹介したい。

ベースになったのはヴェゼル。モーターやインバーターといった電動化技術&部品の技術についちゃホンダの得意分野。中国で販売しているCR-Vハイブリッドと部品の共用化を行うはず。

量産によってさらなるコストダウンが可能になる。電気自動車で最も重要な電池は、中国のCATL(寧徳時代新能源科技)を使う。

日本の技術なども入っているメーカーのバッテリーも採用するVE-1。その安全性の高さなどは心配無用だろう

ここまで読んで「中国製のリチウムイオン電池なんか使って安全なのか?」と思うかもしれない。CATLの電池、なかなか興味深い。

この企業、日産とNECで開発したラミネート式のリチウムイオン電池を、工場一式買ったのだった。そのうえ、BMWと組んで技術改善している。

中国製リチウムイオン電池で最も優れた信頼性を持つと考えていいだろう。日産NEC時代を圧倒する価格競争力を持つと考えてよい。

なにしろ量産効果という点で日産NEC時代とまったく違う。TV用液晶作りで日本が負けたのは、量産効果で勝負にならなかったからだ。

■バッテリーの冷却も行うホンダのEV制御

ホンダとBMWが開発に協力しているとなれば、当然の如くバッテリーの冷却も行っていることだろう。

ホンダはクラリティPHEVの開発に当たり「冷却しないでリチウムイオン電池を使うことなど考えられない」と言うし、BMWだって私が乗っている330e(PHV)のリチウムイオン電池もキッチリ液冷している。

この点でもリーフの標準電池(追加される60h電池は不明)より優れた耐久性と実用性能を持つと思う。気になる価格だけれど、中国国内で公開されたVE-1の価格は約370万円。

最も安いリーフが315万円ながら、電池容量40kWhで少ない。ゴーンショックなければ2018年11月28日に発表される予定だった60kWhの大容量電池を搭載するリーフの価格は400万円程度といわれている(編集部註:60kWh版リーフは2019年1月に発表される予定)。

日産リーフは大容量版の発表が延期になったもののしばらくはライバルの心配は不要だろう

VE-1も充分な競争力を持たせることが可能(中国内ではガチの価格設定)。最近のホンダは日本での価格を海外よりガツンと高くする傾向だから予想できないですけど。

日本で販売するためのハードルはあるだろうか? 結論から書けばまったくなし。ヴェゼルの車体なので右ハンドル仕様作れるし、モーターやインバーターだって調達可能。

価格に直結する電池も中国から輸入すればいい。電池の安全性確保は難しくないだろう。ただ日本でニーズあるかと聞かれたら「難しいでしょうね」と答える。

日本市場、電気自動車の補助金少ないし優遇装置もなし。今のホンダなら売らないでしょうね。

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