貧乏ゆすりはクルマ好きを救う!? 足をブルブルさせるだけで健康になる、運転が上手くなる

貧乏ゆすりはクルマ好きを救う!? 足をブルブルさせるだけで健康になる、運転が上手くなる

 長時間にわたる運転は体に悪い! そう言われて真っ先に思い起こすのは腰痛や肩こりだろう。もちろん腰痛も肩こりも悪化すれば日常生活に支障をもたらす悩ましい不調だ。しかし、すぐに大病につながるという不調ではない。長時間運転で座りっぱなしでいるともっともっと恐ろしい不調に見舞われることがあるのだ。

 今回は、座りっぱなし運転が引き金となり得る怖い体の不調と、驚くほど簡単な予防法をご紹介しよう。

文/室井 圭、医療監修/吉原 潔(アレックス脊椎クリニック院長)、写真/写真AC、イラストAC

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腰痛や肩こりなんて目じゃない!! 座りっぱなし運転の最恐リスクとは?

貧乏ゆすりはクルマ好きを救う!?
急病や発作が原因で発生する事故は年間200~300件ほどと言われている。運転中に体調不良になったら路肩にクルマを停めるなどして無理に運転を継続しない。悪化するようなら救急車を呼ぶなど救助を求めよう

 座りっぱなし運転がもたらす真の恐怖は、エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)の発症リスクが高まることだ。運転中にドライバーが意識を失ったことによる交通事故のニュースを時おり耳にすることがあると思うが、これもエコノミークラス症候群が引き金になっている可能性があるのだ。

 エコノミークラス症候群とは、長時間座ったまま足を動かさないでいることで血液の流れが滞り、血管の中で血栓(血の塊)ができてしまう病気だ。その血栓が運悪く肺や脳、心臓などの血管を詰まらせてしまうと脳卒中や心筋梗塞、呼吸困難などの生命にかかわるような病気を引き起こしてしまう。

 飛行機、電車、バス、自動車などの座席で4時間以上座ったまま動かないでいると、血栓ができる危険性が2倍以上高まるという研究報告も多数発表されている。

股関節が硬くなると運転が下手になる!?

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バックをして体をひねったりする時、股関節まわりが硬い人はアクセルとブレーキの踏み間違いに注意が必要だ

 座りっぱなしの状態が長く続くと運転操作がスムーズにできなくなるという弊害も発生する。健康に自信がある人にとっては、こちらのほうが気になるかもしれない……。

 その理由は、座りっぱなしでいると股関節まわりの筋肉が硬くなり、体の動きが妨げられてしまうからだ。

 たとえば、左右の確認をする時に股関節まわりが硬くなっていると、上半身を動かすたびに足が引っ張られて動いてしまい、ブレーキの位置にあるべき足がアクセル位置に移動してしまったりする。それが繰り返されることでアクセルとブレーキの踏み間違いをしてしまう恐れがあるのだ。

 アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故は高齢者特有のものと思っている人が多いと思うが、実は、10代~20代と75歳以上の高齢ドライバーのアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故件数はさほど違いはないのだ。そのため、年齢に関係なく股関節まわりが硬い人は注意が必要なのだ。

 さらにペダル操作がぎこちなくなり、急ブレーキ、急加速など、運転下手の特徴とも言える「急」のつく運転が多くなってしまうことも考えられる。

次ページは : 股関節まわりを柔らかくしてエコノミークラス症候群を防ぐ

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