■とりあえずキャンパーに的を絞って販売
日本で売り出されるデュカトは3種類。エンジンは共通でボディサイズが3種用意されている。
L2H2:全長5413×全幅2050×全高2524mm
L3H2:全長5998×全幅2050×全高2524mm
L3H3:全長5998×全幅2050×全高2764mm
デカい……。いやデカいです。ちなみにハイエースの最大モデルのスリーサイズは以下のとおり。
全長5380×全幅1880×全高2285mm
あの巨大なハイエースの大型モデルよりもデュカトはふた回りほどデカい。こんなにデカいクルマが売れるのでしょうか……。
無論、このクルマを日常使いさせるはずはなく、ステランティスジャパンが選んだ正規販売代理店は、日本の代表的なキャンピングカービルダー5社である。代理店の選び方からして、当面は商用ベースで販売する気はないのだろう。
キャンパーに的を絞り、日本屈指のビルダーだけを厳選し、ピンポイントで止めどもなく盛り上がる日本のオートキャンプ市場に切り込もうとしているのだ。初期段階のマーケンティングとして極めて合理的である。
■キャンパーへの架装を前提としてベースは破格に
今回、ベストカーWeb編集部から提示されたお題目は、東京にハイエースを、宮崎にルノーのカングーを置いて遊び暮らしている不肖フェルから見て「果たしてデュカトは売れるのか」なるものだった。あのですね。そんなにたくさん売れる訳がないですよ。
ていうか、そもそもステランティスジャパンはドカンと台数を伸ばそうなんてハナから思っていない。新しいモノ好き、カッコいいモノ好きのアーリーアダプターに向けて、ガランドウのベース車両を安価に提供しましょう、という戦略だ。かしこいなぁ。マーケティングの人、相当優秀です。
気になる価格はL2H2が469万円、L3H2が479万円、L3H3が489万円という設定だ。安いわ、コレ。激安です。この円安のなか、こんな値段で売り出して大丈夫なのでしょうか。
無論このままで乗る人はほとんどいないだろうから、買った後はそれぞれのお店でキャンピングカーとして架装して、それなりのお値段になる……という流れなのだが、最終的にはいくらくらいになるんでしょうね。ガッツリやれば1000万を超えてしまうのでしょうね。キャンパーのみんさん、お金持ちですね。
■旅先では間違いなく快適! 市街地での取り回しは?
そうそう。ハイエースとの一番の違いは、デュカトの駆動方式はFFであるということだ。
ドライブシャフトのないFFは、当然床を低くできる。床が低ければ、それだけ車内高を稼げるからキャンピングカーには有利になる。しかも車高がバカ高い。旅先の車内では思い切り快適に過ごせる事でしょう。その分都内では苦労しそうですね。
低い方でも全高2.5m超え。この高さだと、入れる都内のスーパー駐車場は限定されてしまいます。キャンプへ行く前の買い出しは、郊外の屋外駐車場がある店に限定されますね。
紀ノ国屋青山店は1.9mまで。新宿高島屋店は2.35mまで。オサレ食材は諦めましょう。せっかくオサレなクルマなのに残念ですね。あ、別に行きがけに買わなくてもいいのか。
という訳でフィアットのデュカト。期待しましょう。
しかし「出る出る」と言って、いったいいつ出るんでしょうね。フィアットのホームページを覗いても、スペック部分は「coming soon」のままなんですよね。もう2022年11月なんですけど。大丈夫なのでしょうか……。
【画像ギャラリー】まずはキャンピングカーのベースとして日本登場!! イタリアの商用バン・フィアット デュカト(6枚)画像ギャラリー
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