コンパクトカーからSUV、ミニバンまで、全方位で魅力的なクルマを生み出し続けるトヨタ。収益や開発面も盤石で、トヨタの独り勝ちという声も聞こえてくる。
しかし「一強」という世界はやはりどこか寂しい。切磋琢磨する競争相手がいてこそ素晴らしいドラマが生まれ、市場も活性化してくるというものだ。そこでここでは5つのジャンルを決めて、強敵トヨタに挑むライバル車を考えてみた。選者はクルマ選びに強い渡辺陽一郎氏。はたしてその結果は!?
文/渡辺陽一郎、写真/トヨタ自動車、MAZDA、ベストカーWeb編集部
■ハリアーに勝てるSUVはPHEVのあのクルマ
今はホンダや日産も軽自動車に力を入れて、小型/普通車の車種数と開発力が弱まった。その結果、国内で売られる小型/普通車の半数をトヨタ車が占める。小型/普通車の登録台数ランキングを見ても、上位にはトヨタ車が並ぶ。そこで「トヨタに勝てる他社のクルマ」を考えたい。
まずSUVのトヨタ車にはハリアーを挙げる。内外装は上質で、全長が4740mmのボディによって後席も広い。主力グレードはハイブリッドを搭載して、滑らかで静かな加速が特徴だ。居住性から運転感覚まで上質で、燃費も優れているから人気が高い。先ごろプラグインハイブリッドZも加えて価格は620万円だ。
ハリアープラグインハイブリッドに勝てるSUVは三菱アウトランダーだ。プラグインハイブリッドを搭載して、前後輪をモーターで駆動する。アウトランダーの乗り心地はハリアーに比べて少し硬いが、峠道では機敏に良く曲がり、運転の楽しさはアウトランダーが上まわる。
居住性はハリアーと同等だが、3列目のシートも装着した。内装の質は互角だ。1回の充電で走行できる距離(WLTCモード)は、ハリアープラグインハイブリッドが93km、アウトランダーは売れ筋のPやGが85kmだから航続可能距離はハリアーが長い。
それでも価格は、アウトランダーPが本革シートなどを標準装着して548万5700円、ハリアープラグインハイブリッドZは620万円だ。アウトランダーが圧倒的に買い得になる。
■ノア&ヴォクシーに勝てるミニバンはハイブリッド性能に優れるあのクルマ
現行型のノア&ヴォクシーは3ナンバー専用車になり、パワーユニットは2Lのノーマルエンジンと1.8Lのハイブリッドを用意する。3列目シートはレバーを引くと持ち上がり、ウインドー側に押すとロックされる。
ノア&ヴォクシーは装備も充実している。電動スライドドアが開く方向に作動している時、周囲に車両が接近すると、自動的に停止する安全機能などを採用した。スマートフォンの操作で車庫入れを行えたり、高速道路で渋滞している時は、ステアリングホイールから手を離しても運転支援が続く機能も選べる。
ホンダ ステップワゴンはこのような機能を採用していないが、運転席に座ると、ノア&ヴォクシーに比べて視界が優れ運転しやすい。ステップワゴンも3ナンバー専用車になったが、ボディがコンパクトに感じる。3列目シートの座り心地もステップワゴンが快適で、3列目の足元空間も広い。
またステップワゴンのe:HEV(ハイブリッド)は、モーター駆動を基本としており、加速が静かで滑らかだ。乗り心地もステップワゴンが上まわる。ノア&ヴォクシーは先進装備を充実させてハイブリッドの燃費も優れ、ステップワゴンはミニバンの基本的な機能を向上させたといえる。
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