■ヤリスに勝てるコンパクトカーは居住性に優れるあのクルマ
ヤリスはトヨタが用意するコンパクトカーの主力車種で、ハイブリッドXのWLTCモード燃費は36km/Lに達する。日本で購入できる4輪車の燃費としては最良だ。車両重量はハイブリッドながら1100kg以下に収まり走りも軽快だ。
その代わり14インチタイヤ装着車を筆頭に乗り心地が硬い。後席も狭く、身長170cmの大人4名が乗車すると、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ少々に留まる。
その点でフィットは、e:HEVベーシックのWLTCモード燃費は30.2km/Lでヤリスに負けるが、乗り心地は快適だ。車内も広く、後席の足元空間は、ヤリスと同じ測り方で握りコブシ2つ半に達する。
フィットは燃料タンクを前席の下に搭載するから、後席を床面へ落とすように格納できて、大容量の荷室に変更できる。後席の座面を持ち上げると、背の高い荷物を後席のドアから積むことも可能だ。フィットはヤリスに比べると内装や走りが上質で、実用性も優れている。
■GR86に勝てるスポーツカーはオープンドライブが楽しめるあのクルマ
スポーツカーは実用性ではなく趣味性で選ぶ商品だから、ドライバーと車両の相性が大切だ。優劣は一概に決められない。それでも走行性能はGR86の水平対向4気筒2.4Lエンジンがパワフルで、直列4気筒1.5Lのマツダ ロードスターは大人しい。
その代わりロードスターでは、幌を降ろしてオープンドライブを行える。この爽快感は、クローズドボディ専用のGR86では味わえない。
またロードスターの場合、カーブを曲がる時の上限速度はGR86に比べて低いが、挙動の変化が滑らかに進む。オープンドライブを含めて、「速く走る」のではなく「楽しく走る」なら、ロードスターが魅力的だ。
■プリウスに勝てるエコカーは小さな高級車を狙ったあのクルマ
エコカーの代表はトヨタプリウスで、2022年11月に新型が披露された。過去を振り返ると、3代目プリウスは、2010年に日本国内で1か月平均2万6000台を登録したが、4代目の従来型は伸び悩んで2021年の1か月平均は4000台であった。
販売が伸び悩む背景には、ハイブリッドの普及がある。今はコンパクトなアクア、売れ筋SUVのカローラクロスとヤリスクロス、ノア&ヴォクシーなど、さまざまなトヨタ車にハイブリッドが設定されてプリウスを選ぶ必要性が薄れた。
そこでプリウスを廃止する選択もあったが、知名度の高い車種でもあるから、存続させることになった。問題はコンセプトで、従来通りの実用指向では、存在価値を発揮できない。
そこで2022年11月16日に披露された新型プリウスは、ハイブリッドのイメージリーダーになり得る環境性能の優れたスペシャルティカーを目指した。全高は40mm低い1430mmに抑えられ、外観が5ドアクーペ風でカッコイイ。
その代わりに、後席に座ると腰が大きく落ち込んで、膝が持ち上がる。乗降時には頭を下げる必要もある。後方視界も悪い。販売店では「以前は2022年12月9日に価格を明らかにして受注を開始する予定だったが、12月20日以降に延期された」という。
新型プリウスのライバル車として注目されるのがノートオーラだ。内外装は上質で、居住性は後席を含めて新型プリウスよりも快適だ。水平基調の外観によって視界も優れている。「小さな高級車」の雰囲気も感じられ、新型プリウスよりも馴染みやすい。
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