レクサスがランクルプラドの豪華版、「レクサスGX」を日本に入れないワケ

レクサスがランクルプラドの豪華版、「レクサスGX」を日本に入れないワケ

 レクサスは、本格クロカンSUV「GX460」の2023年モデルを米国で発表した。GXは、ランドクルーザープラドを大排気量化して、ラグジュアリー化した海外専売モデルだ。近年のSUV人気を見ると、日本でも一定の需要がありそうだが、なぜ日本には導入されていないのだろうか?

本文/桃田健史、写真/LEXUS、TOYOTA

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■海外専売のレクサスGXに2023年モデル登場!

アメリカで発表された「GX460」の2023年モデル。GXは、レクサスにおいて数少ない海外専売の本格クロカンSUV
アメリカで発表された「GX460」の2023年モデル。GXは、レクサスにおいて数少ない海外専売の本格クロカンSUV

 アメリカのレクサスは現地時間の2022年8月9日、「GX460」の2023年モデルを発表した。北米市場向けの新車はどのメーカーも、モデルイヤーと称して毎年夏前後に発売されるのが商慣習となっている。

 特別仕様車のブラック・ライン・スペシャル・エディションは2022年モデルに次いで登場し、限定3000台。新しい外装色としてエミネントホワイトパールを採用し、パノラミックビューモニターを標準装備とした。また、マークレビンソンのオーディオシステムはラグジュアリーグレードで装着する。

 こうして、ラグジュアリー志向をさらに強化したGXだが、日本のレクサスラインナップには未だに導入されていない。

 なぜなのだろうか?

■2002年に登場したレクサスGX 誕生の経緯は?

 GXの歴史を紐解くと、「GX470」として登場したのはいま(2022年)の20年前となる2002年1月の北米国際自動車ショー(通称デトロイトショー)で、筆者(桃田健史)はその現場に居た。

 当時のアメリカは、SUVシフトが一気に加速している時期であり、GMのブースにはハマー「H2」、アキュラでは「RD-X」が登場し、フォードではフルサイズSUVのエクスペディションの新型への関心が高まるなど、SUVの高級化や他ブランドとの差別化の流れが見て取れた。

 そもそもアメリカのSUVブームは、1990年代半ばにジープ「チェロキー」、GMシボレー「タホ/サバーバン」、フォード「エクスプローラー」などが火付け役で、どちらかといえば商業車やブルーカラーのイメージがあった車系を、ホワイトカラーのエグゼクティブが街乗り用として使うトレンドが広まっていった。

 それが2000年代に入ると、ドイツメーカーがSUVブームに相乗りしようと、BMW「X5」を皮切りに、ポルシェ「カイエン」やメルセデスベンツ「ML」が富裕層での人気を博した。

 そうした中、日系メーカーのプレミアムブランドである、レクサス、インフィニティ、アキュラもそれぞれ、SUVラインナップの強化を進めることが必須となったといえる。

 レクサスとしては、2000年代に入ってから売れ筋だった「RX」と、最上級モデルの「LX」の中間となるモデルが必要となり、車格や価格からトヨタ既存モデルの中から3代目「ランドクルーザープラド」をベースに「GX470」を仕立てることになる。

 3代目「ランドクルーザープラド」は、欧州市場を意識したモデルであり、トヨタブランドとしてアメリカ市場でマッチしにくいモデルという解釈が、日米でのトヨタ社内にあったと思われる。アメリカでのトヨタブランドSUVは、シティユースの「ハイランダー」と、アウトドア志向の「フォーランナー」という2枚看板があったからだ。

次ページは : ■需要はありそうだけど…日本に導入されない理由とは?

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