■需要はありそうだけど…日本に導入されない理由とは?
ここで、話を日本に戻そう。
日本にレクサスが登場したのは、アメリカでレクサスが誕生した1989年の16年後の2005年である。
2005年当時、レクサスは日本のメディアに対して、富士スピードウェイに新設したレクサス販売店関係者向けの研修施設を公開したり、東京では目黒の碑文谷店や、品川の高輪店などで各種イベントを実施し、日本でのレクサスブランドに対する認知度アップに務めていた。
ただし、当初の日本レクサスは、「IS」、「GS」、「LS」というセダン車系のみであり、ライバルであるメルセデスベンツやBMWの関係者からは「これからのレクサスの動きは当然気になるが、日本のユーザーがレクサスのようなアメリカ型のプレミアムブランドにどれだけ関心を持つのかは未知数だ」とレクサスの動向を静観していた。
その後、「ES」、「HS」、「CT」、そしてSUVでは「RX」と「LX」を軸足に、「RX」よりリーズナブルな「NX」、さらに「UX」という形でのモデルラインアップ強化を進めていた。
GXについても当然、日本導入を議論はこれまで何度かレクサス内であったに違いない。だが、現状でGXが日本未導入なのは、レクサス販売店から導入に対する希望の声があまり高まらないからだろう。
その裏には、日本におけるランドクルーザープラドの存在感の大きさがあると思う。
現行で4代目となるランドクルーザープラドは、2009年登場からすでに13年が経過しているが、本格的なオフローダーとしても使えるとして、アウトドアブームやキャンプブームも相まって、広い世代から根強い人気を得ている状況だ。それを大排気量化して、ラグジュアリー化したレクサスGXというモデルは、日本市場にマッチしずらいといえるだろう。
最後に、北米トヨタが公開している、アメリカでのGXを含むレクサス各モデルの2021年・年間販売台数をご紹介しておく。セダンとクーペでは、IS(2万1998台)、RC(2987台)、ES(4万5406台)、GS(76台)、LS(3739台)、LC(2882台)。
SUVでは、UX(1万7581台)、NX(5万8514台)、RX(11万5320台)、GX(3万2509台)、LX(3563台)となる。こうした販売実績を見る限り、GXはアメリカ市場で十分な製品競争力があることが分かる。
2035年には全モデルをEV化することが決定しているレクサス。その上で、ガソリン車GXが今後、日本に導入される可能性は極めて低いといえる。
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