■今のところ庶民には高嶺の花?
そんな夏の超快適装備のシートベンチレーションだが、かのボルボでさえ、装備されるのは60シリーズ以上のさらに上級グレードだったりする。
国産車でも、スバル ソルテラを例に挙げると、最上級のET-HSグレードのみの装備となる(bZ4Xはモノグレードで標準装備)。シートヒーターが軽自動車に付く時代に、では、どうしてシートベンチレーションは高級・高額車にしか付いていないのか?
その答えは単純だ。基本的にシートベンチレーションは夏、本革シートに座った時の蒸れ対策として用意されている。
本革シートのパンチングの穴からエアコンの冷気を吸い込む構造のため、一般的かつ廉価なクルマのファブリックシートには付けにくいのである。
もっともトヨタbZ4Xはファブリックシートながら、メッシュっぽい凝ったシート生地を用いることで、ファブリックシート×シートベンチレーションを実現している。よって、一般的なファブリックシートを備えたベーシックカーなどには適合しないというわけだ。
加えて高級車以外のクルマはコストとの戦いで企画、商品性が決定する。
仮にシートベンチレーション搭載の意見があっても、コスト的にどこを削るか……という場面で、どうしても必要な装備ではない(涼しい時期、冬季にはまず必要ない)ということから、装備リストから落とされることになる。
ただし、この先、BEVが続々と登場すれば、電気を食うエアコンの負担軽減という意味で、高級車ではないBEVにもシートベンチレーションが重宝され、当たり前のように装備リストに加わる可能性はありそうだ。
自動車メーカーによっては、シートベンチレーションの大量装備によってコストダウンが図れ、装着車が拡大していくことも予想できる。それには、ユーザーが「シートベンチレーションが欲しい」と声を大にしないと、自動車メーカーも高級装備のシートベンチレーションに対する重い腰を上げてくれないだろう。
そのためには、シートベンチレーション未体験者は、販売店の試乗車でいいので、一度、シートベンチレーションの快適感、気持ち良さを体験するといい(もちろん夏に)。その際、エアコンを涼しい温度でONにすることをお忘れなく。あくまでエアコンの冷風とセットで機能するからだ。
【画像ギャラリー】日本を走るクルマに必要なのはヒーターよりコッチ!? 夏場も快適に座れるシートベンチレーション(10枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方レカロのベンチレーション・シート購入したけど、全然効果を感じなかった。
会社に聞いてみると、腰を冷やさないのが社是、と言われた。
だったら売るなよ…….めちゃ高かったのだから。
(メルセデスGLE450、911の純正品はすごく快適!)
汗臭いの吸ってどこに出してんだ?後ろの席?シート溜め込み?…と言うのが気になって、汗かいた時こそ使えなかった…。
純正ベンチレーションシートは、後付けと違って座り心地やサポート能力、内装マッチングや上質感などで社外を圧倒なうえに、他装備含めると割安ですからね
トヨタは140カローラで採用して、これからは大衆クラスでも当たり前になる!と期待しましたが、次が廉価志向だったので消えて残念でした
ハリアーやマツダのラージ系にはありますが上位グレード、ある程度安くて欲しいとなるとプリウスくらい。もっと採用増えてほしい