「これなら買える…!!」日産が新型セレナを全車e-POWERにしなかった事情と思惑

「これなら買える…!!」日産が新型セレナを全車e-POWERにしなかった事情と思惑

 2022年11月28日、日産自動車は6年ぶりに新型(6代目)セレナを発表しました。本誌の調査によると、まずはガソリン車を2022年12月22日に発売、続いてガソリン4WD車を2023年1月12日、続いてe-POWER車を2023年春頃に発売する見込みとなっています。

 国内最量販3列シート車の新型車が登場したわけですが、新型車記者発表会にて、日産の星野朝子副社長が語ったところによると、「e-POWER車は約半分」の見込みだとのこと。するとあとの半分はガソリン車ということになります。日本市場における電動化を牽引してきた日産自動車が、国内販売の大黒柱であるセレナの新型にガソリン仕様を「あえて」残した理由とは?(ちなみに今年7月にデビューした新型エクストレイルは全車e-POWER)

文/ベストカーWeb編集部、写真/日産自動車

■あえて200万円代のガソリン仕様を残した事情

「この約3年間、新型コロナによりわたしたちの日常は大きく変わってしまいました。しかしそんな中でも変わらなかったこともあります。それは家族とのあたたかい関係です。セレナは初代が登場して以来約30年、そうした家族に寄り添う存在として、これまでも、これからも、そういった家族も大切な存在としてあり続けたいと願っています」

2022年11月、正式発表となった新型セレナ。フロントマスクが全体的にシャープになった
2022年11月、正式発表となった新型セレナ。フロントマスクが全体的にシャープになった

 本日(11月28日)に世界初公開となった新型セレナの記者発表会にて、日産自動車の星野朝子副社長はそう語った。初代(C23型)が1991年に登場して以来、日産の国内販売における中心的な役割であり続けたセレナが、いよいよ先代型(C27型)から6年ぶりに新型へと生まれ変わる。

 従来モデルよりさらに洗練されたフロントマスクと全体のフォルム、使い勝手を優先させつつ最近の家電やスマホに着想を得たであろうタッチパネル中心の操作系とついにボタン式となったシフト(新型セレナにはシフトレバーがない!)。「疲れにくく酔いにくい」を優先したという走行性能も気になるところだが、それらと並んで取材陣が注目したのは、新型セレナに(従来型から引き続いて)「純ガソリン仕様」が用意されており、(今年7月に登場した新型エクストレイルと同じように)e-POWER専用車とならなかったところ。

広い視界、安定したシート、使い勝手のいいインパネ周りで、「疲れにくくて酔いにくい乗り心地」を目指したという新型セレナ
広い視界、安定したシート、使い勝手のいいインパネ周りで、「疲れにくくて酔いにくい乗り心地」を目指したという新型セレナ

 日産自動車といえばリーフやアリア、SAKURAといった純EVをブランドのイメージリーダーとして据え、一世を風靡したe-POWERで販売を伸ばしてきた電動車の牽引役。現行ノートも新型エクストレイルもe-POWER専用車として生まれ変わり、好調を博している。それがなぜ、新型セレナではガソリン仕様を残したのか?

「ご承知のとおり、わたくしども日産自動車は、いま現在、セレナより小さいクラスのミニバンを持っておりません。セレナにはそのぶん、幅広いお客さまのニーズに応える必要があります。そうした(営業的な)事情により、セレナにガソリン仕様をご用意しました」(前出の日産自動車星野副社長)

個人的には新型セレナ最大のトピックスである、「シフトレバーなくなった問題」。センターコンソールにあるボタン式でシフトチェンジする。家電製品のようです
個人的には新型セレナ最大のトピックスである、「シフトレバーなくなった問題」。センターコンソールにあるボタン式でシフトチェンジする。家電製品のようです

 かつてキューブキュービックを用意し、コンパクトクラスのミニバンを用意していた日産。ライバルであるトヨタやホンダには、それぞれシエンタ、フリードというコンパクトカーベースの3列シート車が用意されているが、日産にはそれがいま、ない。セレナがその領域もカバーしなければならない。

 だからこそ、実質的な廉価版として、新型セレナにはガソリン仕様が用意された。

 思い起こせば2年前の2020年12月、量販モデルである現行型ノート(E13型)をe-POWER専用車として発表した際に、全般的に好評だったものの、一部からは「平均価格が高額になった」、「廉価モデルを購入するユーザーを切り捨てた」といった(日産自身の国内営業の一部からも)批判があった。

新型セレナ価格表
新型セレナ価格表

 今回、新型セレナに比較的安価なガソリン仕様を残し、「200万円代で買える仕様」を残したことが、今後の日産の国内市場におけるプレゼンスにどのような影響を与えるのか、注目が集まる。なお本誌のような自動車専門メディアにとっては、セレナのような幅広く愛されるクルマが、幅広いグレードと価格を用意してくれるのは大歓迎です。安いクルマが好きな人も、そうでない人も、ぜひ選択肢に入れてみてください。

【画像ギャラリー】「ギラ顔」にさらに磨きをかけて登場!! 新型セレナの実物は外装も内装も…売れそう!!(22枚)画像ギャラリー

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