ボルボとの共同出資ブランド「Lynk&Co」って何??

■クロスオーバーとセダンを続けて発売

2018年になって、L&Cは01に続くSUVモデル「02」を投入する。こちらは01よりもわずかにボディが小さく、クロスオーバーSUVという位置づけだが、クルマのなりたちはほぼ01と同じだから、商品力の高さは推して知るべし。ひと言でいえば、ボルボXC40のクオリティが100万円安く手に入るのだから、売れないはずがない(当サイトでも試乗の様子を紹介している)。

小型SUVの「02」。価格は14万2000元(約232万円)〜19万8000元(約323万円)。ワールドプレミア(2018年3月・アムステルダム)に招待された欧州各国のジャーナリストの感想は一様にかつての日本車や韓国車のように欧州車、特にフランス車が駆逐されるのではないかという意見が多かったという

人気のSUVを2台投入したところで、L&Cはセダン市場に打って出た。実は冒頭で紹介した怪しい試乗会とは、この新型セダン「03」の発表会だったのだ。

富士スピードウェイに招かれたのは、中国の報道関係者や有力ブロガーなど数百名(日本のジャーナリストも少数招かれた)。広大なサーキットを派手に飾り付け、日本のバブル期を思わせるような盛大さだったらしい。

発表された「03」はボディ形状の違いこそあれ、これまた01、02と成り立ちは同じ。とはいえ各機能のソフトウェアに関しては、きっちりとアップデートされているはずだから、ユーザー・エクスペリエンスという点では確実に進化しているだろう。

03のシャシー部分。プラットフォームはボルボのCMA、エンジンもDrive-E技術を盛り込んだボルボ製。中央にはPHVのバッテリーが見える

「クルマの土台は長い歴史を持つ自動車メーカーから買い、その上に築くソフトウェアの領域で勝負する」。このビジネスモデルは、今後の自動車業界の中でますます存在感を増してくるように思える。

とはいえクルマのOS(オペレーティング・システム)は、やがてひとつかふたつにされていくはずだから、勝者となれる者は極めて少ない。

ボルボとタッグを組んだL&Cは、その最右翼にいる自動車メーカーなのかもしれない。

03はスウェーデンの強豪チーム、シアン・レーシングと組んで2019年のWTCR(世界ツーリングカー選手権)への参戦が決定済み

〈Lynk&Co 基本データ〉
創業年:2016年
所在地:中国・浙江省(開発拠点はスウェーデン・イェーテボリ)
創業者:安聰慧(アン・コンフイ/吉利汽車CEO)
社名の由来:Link(=つながる)を連想させるLynkとコネクト、コミュニケーションを意味する「Co」の組み合わせ。中国名は「領克」だがあくまで英語が正式表記

〈10秒でわかるLynk&Co〉
■2016年、吉利と傘下のボルボが作ったコネクテッドカーブランド
■「走る」「曲がる」といったクルマの基本要素はボルボの資産を共用
■今後盛んになるシェアリングやサブスクリプション(定額払い)に車両レベルで対応

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