メーカーのアライアンスが進むとともに、メーカーをまたいだ兄弟車というのが増えた。代表的なのはトヨタルーミー、ダイハツトール、スバルジャスティだろう。この場合お買い得なのはどのメーカーのクルマなのだろうか?
かつては生産元のメーカーとOEM供給を受けているメーカーを戦わせて、商談を有利に進めるという手法があったが、令和の今、この方法は通用するのか。多種多様になった兄弟車の買い方についてディーラーを直撃した!
文/佐々木 亘、写真/Toyota、Daihatsu、Mazda、Subaru、ベストカー編集部
■ワゴンRとAZワゴンが代表格!かつてあったOEMの利点
資本提携や子会社化など、自動車メーカー各社では、アライアンス(同盟)を作る動きが加速している。トヨタ・ダイハツ・スバルや日産・三菱のように、それぞれの強みを生かし、弱点を補う上で、こうした協業は有効かつ最善の策だ。
アライアンスが進んだ結果として、メーカーをまたいだ同一車種、いわゆる兄弟車と呼ばれるものが増えてきた。大ヒットしているルーミー(トール・ジャスティ)やライズ(ロッキー・レックス)、カーオブザイヤーを受賞した日産サクラと三菱eKクロスEVなど、「売れるクルマ」や「今年の顔になるクルマ」にも、兄弟車が挙がってくる。
ここで一つの疑問が浮かび上がる。非常に似通ったクルマ同士だが、各メーカーで「個別に見積もりを取ることで、購入条件を有利に出来るのか」というものだ。
1990年代後半から2000年の初め頃は、メーカーエンブレム以外は全く同じで、エンブレムを隠されると見分けがつかない兄弟車が多かった。スズキ・ワゴンRとマツダ・AZワゴンは、その最たる例と言っても良いだろう。
ワゴンRと比べると、AZワゴンのネームバリューは小さい。しかし、クルマの質はワゴンRと同じだ。マツダは、本家ワゴンRよりも人気で劣るAZワゴンを、本家よりも少しお得に買えるクルマとして販売した。結果としてAZワゴンは、マツダの中でも売れ行きの良い軽自動車になった形だ。
新車市場で人気が無ければ、中古車としての評価も厳しくなる。かつてのOEMは、新車・中古車ともに「人気が無い分だけ安く買える」というのがメリットだった。
コメント
コメントの使い方