【高すぎる税金 ゴーン問題ほか】 豊田章男自工会会長 「走行課税は断固反対!!」

 2018年12月20日、豊田章男 日本自動車工業会(自工会・JAMA)会長が記者会見を行い、今後進むべき自動車産業のあり方や税制改正大綱など、さまざまな論点について語った。

 一般社団法人日本自動車工業会(自工会)は1967年に設立された自動車メーカー14社によって構成される団体だ。豊田氏は2018年5月から会長に就任している(2012年-2014年に次いで2度目の就任となる)。

 豊田会長の会見はいつも歯切れがよく、また「建前ではなく本音を語っているな」と思わせてくれる。今後の自動車産業をどう牽引していくのか? その手腕に期待したい。

※本稿は2018年12月のものです
文:ベストカー編集部/写真:自工会ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年2月10日号


■「自動車産業そのものがモデルチェンジの途上」

「自動車産業はけっして成熟した産業ではなく、単に納税を生む存在ではない。『CASE』と呼ばれる電動化、自動化の技術を進めていけば、クルマは存在自体が社会システムの一部となり、暮らしを豊かにしていけると考えます。今まさに自動車産業そのものが、新しい産業にモデルチェンジしようとしており、現在は生みの苦しみに直面している」とコメント。

 さらに「『CASE』が進めば、そのつながりのなかで、国境という概念は薄れ、地球規模になる環境問題などでわれわれのふるさとであるホームプラネットへの思いを持って考えていかねばならない」とした。

【CASEとは?】Connected(ネットとつながる)/Autonomous(自律自動運転技術)/Shared(カーシェアリングなどでの共有化)/Electric(電動化)の4つの柱を表わした言葉。

世界中の自動車メーカーと関連企業が今、「CASE」の主導権争いを繰り広げている。「100年に一度の大変革期」と呼ばれるなかで、2019年も何か大きな動きがあるのでは? と見られている

■ゴーン問題について

「直接のコメントは控えさせていただくが、日本企業として学ばなければならないのは、ガバナンス、倫理観に対しての問題提起だったと認識している。自動車産業は裾野が広くお客様の信頼があってこそ事業が継続できるので、私を含めて肝に銘じて行動していきたい」とした。

■自動車減税について

「創設以来、自動車税に歴史上初めて風穴を開け恒久減税を実現でき、ユーザーの税負担軽減を大きく進めることができた」と評価するいっぽう「1300億円の減税額については、自動車産業の税収貢献を試算すると、国税、地方税合わせて約102兆円。企業やユーザーが税収にどれほど貢献しているかといえば約15兆円あるため、約15兆円のうち1300億円の減税なので、満額達成しても1%程度」と減税額については不満をにじませた。

■税制の複雑さについて

「今回の税制改正についてメディアで報じていただいているが、どの報道を見てもわかりにくく、販売の現場で説明するセールススタッフはたいへんだろうな」と感想を述べ、制度の簡素化の必要も強調した。

複雑すぎ、そして何より高すぎる自動車税の在り方は、買う側の我々だけでなく買ってもらう側のメーカーにとっても重要な問題なのだ

■走行課税について

「走行税は使っている人がよりお金を払わないといけないものだが、決めるほうの論理は、使っている人が道路の補修費用などを払うべきという論理なのだろう。これからの道路は『CASE』と呼ばれる自動運転や電動化、EV、水素などのインフラとのシンクロが重要になる。自動車が未来のモビリティに変わっていくにはインフラを含め、ほかの業界との連携を含めて課題を解決する必要があり、働いている人からさらにお金を取ることは断固反対していきたい」と走行課税には反対の姿勢を明確にした。

■東京モーターショーについて

 個人的な意見と前置きしたうえで、「より多くの若者にモーターショーに接してもらえるよう、eスポーツの世界グランプリが東京モーターショーで開催できればと思う」と話した。

2018年10月に行われたeスポーツ大会では多くの若者たちが会場を訪れ、熱気に満ちていた

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