堅調な販売を続けているカローラシリーズだが、なぜここまでの大きな支持を受けているのだろうか。果たしてカローラはVWゴルフのような「国民車」になったのかどうか、その要因について考察してみた。
本文/ベストカーWeb編集部、写真/西尾タクト
■一部改良で意外に大きな変更を受けていたカローラシリーズ
2022年10月3日に一部改良を受けたカローラシリーズ(カローラクロスを除く)だが、まずはその内容を確認しておきたい。現行型カローラシリーズのなかで最もデビューが早かったのはカローラスポーツで、2018年6月に発売。翌年2019年9月にセダンのカローラ、ワゴンのカローラツーリングもフルモデルチェンジを受けて日本でも発売が始まった。
2021年7月にも一部改良を受けているが、2022年10月の一部改良は実はかなり大がかりだった。カローラスポーツは2代目オーリスから継続設定されていた1.2Lターボ(116ps/18.9kgm)が廃止され、新たに2Lの直4DOHC、NA(174ps/21.3kgm)のダイナミックフォースエンジンに切り替えられた。このエンジン、2020年5月に限定発売された「2000 Limited」と同様のパワートレーン。
また、カローラシリーズのハイブリッドモデル(カローラクロスを除く)にはすべての電動モジュールが刷新されたハイブリッドシステムを採用し、グレード体系もカローラとカローラツーリングは従来の「W×B」グレードは残しながら、「S」と「GX」から「G」と「X」に変更されている。
■「ふつうに走る」のが充分に楽しいカローラ!
担当は2022年秋、一部改良モデルのカローラ(1.5Lダイナミックフォースエンジン)、ワゴンのカローラツーリング(1.8Lハイブリッド)、5ドアHBのカローラスポーツ(2Lダイナミックフォースエンジン)と各々違うパワートレーンで試乗したのだが、トヨタがかなりしっかりとアップデートしてきたことに驚かされた。
例えば、改良前にセダンでは1.8Lだったガソリンエンジンの排気量が1.5Lにダウンサイジングされたうえ、リアサスが従来のダブルウィッシュボーン式からトーションビーム式に変更されていたにもかかわらず、街中で過不足なく走れるのが実感できた。
また、カローラスポーツの2Lダイナミックフォースエンジン車はそのエンジンスペック(170ps/20.6kgm)以上にキビキビした出足を見せてくれ、ふつうに走るのがとにかく楽しいモデル。ステアリングを切って交差点を曲がるだけでも思わず笑みがこぼれてしまう感じ。カローラスポーツ専用の足回りのチューニングがその秘密だったようなのだが。
もちろん、カローラシリーズ随一の売れ線モデルのカローラツーリングにも抜かりはない。パワーユニットは改良前と同様の1.8Lハイブリッドだが、フロント側モーターが変更されたことでシステム出力も向上しており、新型プリウスと同じ世代のTHSとなっているのも奥ゆかしい。
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