雪がそんなに積もらなくても翌日以降の「ブラックアイスバーンが一番危ない!」 改めて知りたい「雪道走行の基本中の基本」 

雪がそんなに積もらなくても翌日以降の「ブラックアイスバーンが一番危ない!」 改めて知りたい「雪道走行の基本中の基本」 

 2月10日の朝から関東地方では広い範囲で雪が降り、平野部でも積雪となっている所がある。東京23区でも内陸に近いところでは雪が積もった。10日の夜は関東1都6県で、雪による道路への影響が大きく11日は明け方まで影響が残りそうだ。そこで、明け方にアイスバーンができることが予想されるため、アイスバーンと雪道走行の基本中の基本を解説する。

文/ベストカーWeb編集部、写真/ベストカー編集部、Adobe Stock

■雪に慣れていない東京に大雪が降ったらえらいことになる! 

2018年1月22日、都心部で4年ぶりに20cmを超える大雪が降ったが、その時にサマータイヤを履いたまま走り、坂道で道路を塞ぐクルマが目立った。写真はサマータイヤを履いたクルマを警察官が押している様子
2018年1月22日、都心部で4年ぶりに20cmを超える大雪が降ったが、その時にサマータイヤを履いたまま走り、坂道で道路を塞ぐクルマが目立った。写真はサマータイヤを履いたクルマを警察官が押している様子

 最近、ニュースで降雪予報が出ると、「たいしたことない」、「どうせそんな大雪じゃないからノーマルタイヤで走っても大丈夫」と思っている方、いませんか?

 この時期になると思い出すのが、20cmを超える大雪が降った2018年1月22日。首都高では立ち往生や事故を防ぐため、予防的に通行止めが行われた。

 この時、ノーマルタイヤで走行し、坂道で登れず、警察官がクルマの後ろを押していた光景に遭遇。1台だけではなく、違う場所でも数台見かけたことを思い出す。

東京23区内。大雪から4日目の朝だが、ビル陰になる路面はツルツルのアイスバーンに磨き上げられていた。スタッドレスタイヤでも慎重な運転が求められる路面である
東京23区内。大雪から4日目の朝だが、ビル陰になる路面はツルツルのアイスバーンに磨き上げられていた。スタッドレスタイヤでも慎重な運転が求められる路面である

 ここで注意喚起しておきたいのがアイスバーン。積雪当日よりも翌朝、2~3日後にも、まだ道路上に残っているアイスバーンが怖い。

 幹線道路や脇道でも走行車両が多い道路では雪が解けてサマータイヤでも走れるようになるのだが、ビルの陰などで日中ほとんど日が当たらない路面では、1日経っても2日経っても雪が溶けないばかりか、雪が溶けても夜間の冷え込みでまた凍り、アイスバーンができてしまうのだ。

 アイスバーンは雪道以上に滑るのということを頭に叩き込んでおこう。当然、急のつく運転は控えなければいけない。

 なかでも一番危険なのはブラックアイスバーン。ブラックアイスバーンは、一見するとただの濡れたアスファルト路面のように黒く見えるのだが、実は表面が凍りついている。

 ただの濡れた路面だから大丈夫、という油断が危ないのだ。ブラックアイスバーンの上を走った場合、滑ることを前提とした予測運転も必要になる。

 また風通しのよい橋の上や陸橋、トンネルの出入り口付近にアイスバーンが発生するので注意が必要だ。

 ここで、知識として知っておいてほしいのだが、夏タイヤを装着したままで雪道を運転すると『公安委員会厳守事項違反』に該当し、反則金6000円(普通車)の罰則があるのだ。

 詳しく挙げると道路交通法第七十一条(運転者の厳守事項)の六項にて、“……中略、道路又は交通の状況により、公安委員会が道路における危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要と認めて定めた事項”とある。  

 よって、各都道府県の公安委員会による道路細則でスタッドレスタイヤの装着やタイヤチェーン等滑り止めの措置をしなければいけないことが定められている(※沖縄県は除く)。

 雪がそんなに積もらなかったから平気だと過信することなかれ! 外気温計をこまめにチェックして、プラス3度を下回るようなら「警戒モード」に頭を切り替えて走ろう。

次ページは : ■雪道走行の基本中の基本とは

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